NO. 190
玩具博物館のクリスマス・アドベント・その3                (2015.12.22 学芸員・尾崎織女)
12月4日の聖バルバラの祝日にお皿にまいた大麦は、小さな芽から葉をのばし、青々とした若葉が育っています。冬至に向かって日照時
バルバラの麦 12月20日
間がどんどん短くなる季節に小さな生命の不思議を見守るというのはとてもいいものですね。この苗たちはクリスマスシーズンが過ぎたら、プランターに植え付けてみようかと思っています。
アドベント・クランツに4本目のキャンドルが点った先週の日曜日は、お隣町にある兵庫県立福崎高等学校コーラス部の皆さん(5名と顧問の先生方)をお招きし、クリスマス展会場で、綺麗な歌声をご披露いただきました。天井からフィンランドの麦わら細工〝ヒンメリ″が揺れる展示会場に木造りの椅子を並べると、まるで小さな聖堂のよう。舞台側にはドイツ・エルツゲビルゲの天使のキャンドルスタンドが、キャロルが始まるのを今か今かと待っているような表情……。若い皆さんは最初、緊張した面持ちで、のちには優しい笑顔で、「
きよしこの夜」「ジングルベル」「もろびとこぞりて」「荒野の果てに」「ひいらぎかざろう」「赤鼻のトナカイ」「サンタが街にやってくる」など、日本人によく親しまれたクリスマスソング
聖堂のようなクリスマス展会場に若い人たちの歌声が響きます♪♪♪
を聴かせて下さいました。その暖かく清純な歌声に胸を打たれた…と多くの方々から笑顔のご挨拶をいただきました。たくさんのクリスマス・キャロルの演奏会がありますが、このひとときは、他のどこにもない素敵なものだったと思います。
来年もまた…。
演奏会の様子はこちらでご覧下さい。
                              
クリスマス・アドベントには毎日のように嬉しいことがあります。12月19日(土)には、第2回目の「クルミの中の幼子」のワークショップを開きました。学芸室からNo.188でもご紹介いたしましたように、これはハンガリー伝承のツリー飾りで、クルミという素材の意味合いやクルミ殻と幼子イエスが結びつく理由、また近世までの赤ん坊の育て方などを知るための講座でもあるのですが、嬉しいことに、ご参加された方々は、みな、このオーナメントを非常に気に入り、たくさん作りたく仕方なくなってしまわれるようです。ご参加者にいくつかの材料をプレゼントしたところ、皆さん、ご自宅で作られた幼子のオーナメントを写真にとって届けて下さいます。どれもこれも個性的で非常に愛らしく、小さな生命への慈しみにあふれた作品ばかり。今年、ご紹介できたこと、本当によかったと嬉しく思っています。
皆さんからいただいたお写真のうち、掲載のご許可をいただいたものをお目にかけたいと思います。
さらに今日、嬉しかったことは―――。今年は、神戸新聞社からご依頼を頂戴し、1月1日より一年間のスケジュールで、同紙の3面に「おもちゃの四季」という小さなコラムを井上館長と一緒に書かせてもらっています。もういよいよ終了に近づいているのですが、今日は小さな姉妹がおばあさまと一緒に、12月22日付のコラム「聖ニコラウスの煙だし人形」の紙面を切り抜いて、その人形を探しにご来館下さいました。展示品の中に、まあるく口をあけて煙を吐き出す聖ニコラウス(ドイツのサンタクロース)をみつけ、〝かわいい…。でも、もっと小さいと想ってた…″と展示を観ておられるところに出会い、せっかくだから…と人形の胴部でお香をたいて、煙を吐き出す様子を観ていただきました。女の子たちは大喜び。おばあさまがそのコラムをずっとご覧下さっていたそうで、こうして、記事をきっかけに小さなお子さんまでもが興味をもってご来館下さることをとてもありがたく幸せに思いました。
神戸新聞のコラム「おもちゃの四季」とスクラップ帳
「聖ニコラウスの煙だし人形」の記事
   →それを観て人形に会いに来られた女の子
始まった頃は一年という長い月日に圧倒される思いでしたが、読者の方々からの嬉しいお便りなどにも励まされて、ふり返れば、あっという間に終わってしまったように感じられます。ここの文章は違った表現にしたらよかった…などと後で反省することも多く、また、あの玩具も入れたらよかった、この人形もご紹介すればよかった…と思ったりいたします。けれども、大切な紙面に一年間も場をいただきました神戸新聞社ご担当の方々に感謝の気持ちでいっぱいです。そしてご愛読下さいました皆さまに心よりお礼申しあげます。

最後にひとつご報告があります。玩具博物館の受付窓口に2011年春より設置させていただいておりました「東日本大地震被災地の文化財復興への義捐金」募金箱を2年9ヶ月ぶりに開封いたしました。これまでには、2011年5月31日には50,000円、同年クリスマスに10,000年、2013年3月11日に15,000円と3回にわたって皆さまからの義捐金を公益財団法人文化財保護・芸術研究助成財団へ送金させていただいたのですが、今回、クリスマス献金として、23,080円をお送りしております。あたたかいお心で寄付下さいました皆さま、ありがとうございました。メリー・クリスマス! 多くの方々のお気持ちが被災地文化財の修復に関わる何かに生かされますように・・・。



NO. 189
玩具博物館のクリスマス・アドベント・その2                (2015.12.11 学芸員・尾崎織女)
12月4日は聖バルバラの祝日。南フランスには、この日、テラコッタのお皿に水を張って麦を撒き、クリスマスまでに芽吹いた数によって、
「バルバラの枝」と「バルバラの麦」
また緑の麦の伸び具合によって吉凶を占う「バルバラの麦」の風習があります。今年は近隣の農家の方から大麦を分けていただいたので、そっと願いを込めて、水床に大麦を撒きました。数日間、過ごした麦は少
小さな芽を出した大麦
しずつ根を広げ、小さな芽をもたげてきました。「バルバラの麦」は、クリスマス展会場の入り口に置いています。農耕カレンダーが終息する時節にあたり、農作物の実りに感謝をし、来る年の豊作を祈る――――異国の風習ですが、私たちの心にもしみ入るゆかしい営みだと思います。クリスマスまでに根を張り、綺麗な緑を育ててくれるでしょうか。

また同じ日、ヨーロッパの各地では森に自生する花桃などの樹木から枝をとってきて花瓶に生ける「バルバラの枝」の風習も見られます。幽閉された聖バルバラが小さな部屋に挿し飾っていた桜桃が、殉教した12月4日の朝、かわいい花を咲かせたという伝説に由来するものです。クリスマスの朝、聖バルバラの祝日に切った裸木の枝に花が咲いたなら幸福が訪れる徴だといいます。今年は、井上館長に庭のプラムとサクランボの枝を切ってもらい、「バルバラの麦」の傍に置きました。去年の「バルバラの枝」は、残念ながらクリスマスに間に合いませんでした。今年は少し花芽が大きいように思えるのですが、ご来館者と一緒に花さく真冬の枝をお祝いできるでしょうか。

聖バルバラの祝日の翌日、クリスマスのワークショップ・その2「切り紙の星」を開きました。切り紙の星は、8枚の折り紙のそれぞれに切
 6号館前テラスでのワークショップ風景
り込みを入れて細工し、それらをつなぎ合わせるだけで思いもかけない綺麗なオーナメントになるので、ヨーロッパをはじめ、広く愛されています。この日は、いつもの講座室がちりめん細工教室で埋まっていたため、6号館前、庭に面したテラスを会場に使いました。一度に10人ほどしか入れないので、3回にわけ、各回、家族的な雰囲気のワークショップとなりました。12月初旬の陽光がちらちらとする温かな午後のひととき、小さな子どもからお母さま、おばあさままでがご参加され、思い思いの星飾りを窓や壁、ツリーに飾り付ける作業はとても楽しいものでした。6号館前のテラスは、今後、こんなふうに活用するのもいいかなと思います。

この「切り紙の星」の作り方を知りたいと幾人かの方からお問い合わせなどがありましたので、簡単に手順を記したいと思います。お楽しみ下さいませ。

    準備するもの 折り紙8枚(一辺が7.5cmのもの)・定規・鉛筆・ハサミ・のり・縫い針・糸・ウッドビーズ
    光の一辺の作り方    
色紙を対角線上に4つ折りし、
下辺から1.5cm幅に2本線を入れる
2枚重なっている方から切り込みを
入れ、5mmほどを残す
切り込みを入れて開いたところ
     
 中心の切り込みを環状にして
のりで止める
 2番目の切り込みは反対側に止める さらに3番目の切り込みは
2番目の反対側にしてのりで
とめる。これを8個作る。
    光のつなぎ方 
形と色を吟味しながら8個をつなぎ合わせていく 環状につなぎ合わせる 中央に向かって押さえ、星型に成形する
中心部を糸でつないでいく 糸をひき集め、ウッドビーズを
最後に通して結びとめる
一辺の先端につるし糸をつけて出来上がり



NO. 188
玩具博物館のクリスマス・アドベント                      (2015.11.29 学芸員・尾崎織女)
教会暦では今日からクリスマス・アドベント(待降節)に入りました。キリスト教世界では、“アドベント・クランツ”の1本目のキャンドルに火を点して、キャロルを歌ったり、キリスト降誕の物語を子どもたちに話して聴かせたりして過ごす第1回目の日曜日。“アドベント・クランツ”は、緑のモ
アドベント・クランツ型キャンドル
スタンド(ハンガリー/白い陶器)の
4本のキャンドルが点ったところ
ミで飾ったリースを食卓などにおき、そこに4本のキャンドルを立てたもの。あるいは、リボンをかけて居間の天井からつるし飾る家庭も多いことでしょう。来週の日曜日には2本のキャンドルが点り、再来週の日曜日
「光の造形とキャンドルスタンド」の
コーナーに <トムテのキャンドルスタンド>
を置きました。
には3本、再々来週の日曜日には4本――。4本のキャンドルに灯が点ると、まもなくクリスマス! 素朴でありながら、待つ楽しみと喜びを表現した素敵なクリスマス・オーナメントです。『世界のクリスマス展』に中では、「光の造形とキャンドルスタンド」の展示コーナーに、ハンガリー、スウェーデン、ドイツ、イタリアをはじめ、いくつかのアドベント・クランツ型のキャンドルスタンドを展示しています。

さて、その展示コーナーに、昨日、玩具博物館ミュージアム・フレンドのSさんから寄贈いただいた“トムテのキャンドルスタンド”(スウェーデンの陶芸作家・リサ=ラーソン女史デザイン)を加えまし
た。小さな子たちと視線の合う位置に展示をしたためでしょう、今朝、ご来館された3、4歳の女の子が、
そのトムテたちとガラスケース越しに一生懸命、お話をしているではありませんか! 
可愛らしい風景に胸がほっこりと致しました。

ドイツHuss社の乳香や
没薬をたく道具
今年の玩具博物館のアドベントは、いつもの展示解説会(日曜日ごとに開催) や世界のクリスマス絵本の朗読会(12月23日の午後開催)に加えて、お隣町の兵庫県立福崎高等学校コーラス部の皆さんによるクリスマスキャロルのミニ演奏会を計画しています。展示会場に清純なキャロルが響くのは12月20日(日)の11時30分からと13時30分から。その日には、
日曜日ごとの展示解説会…「光のピラミッド」を点して
お話をしています。
東方の三人の博士(メルキオール・バルタザール・ガスパール)がベツレヘムの幼子イエスに捧げたという〝乳香″や〝没薬″をドイツ製の小さな香炉で炷きますので、ご来館の方々には目と耳と鼻と……そう!三感+心でクリスマス展示を味わっていただけることと思います。
恒例の手作り講座も始まりました。展示中の各国伝承のオーナメントを手作りしてみることで、それらに込められた文化を、一歩踏み込んで楽しく理解していくためのワークショップです。これまでには、スウェーデンやフィンランドの麦わら細工、スイスの麦わ細工、デンマークの
切り紙細工、ドイツのフェルトとビーズのオーナメントなどを紹介してきましたが、今年はハンガリーに伝承される〝クルミの中の幼子″をとり上げています。
クルミ殻の中にそっと収まった小さな赤ちゃん、つまり、飼葉桶の中のイエスを象徴するものと思われます。今月のおもちゃ12月号に当館の清
ご参加者が「またひとつ作りました!」
とお知らせ下さいました。
瀬学芸員が書いておりますように、クルミはヨーロッパのアドベントには欠かせない食べものであり、その堅い殻は、小さなキャンドルスタンドに仕立てられたり、リースを飾ったり…と好んで使われる素材です。
昨日、第1回目のワークショップを開いたところ、ご参加者に大好評。ご家庭に持ち帰られた材料で「また、ひとつ、愛らしい〝幼子イエス″を作りました」と嬉しいお知らせをいただいております。12月19日(土)にも少し、仕様を変えまして、〝クルミの中の幼子″手作り講座を開きますので、ぜひ、この機会にご参加下さいませ。




NO. 187
秋の玩具博物館へのお客さま                         (2015.11.8 学芸員・尾崎織女)
薄紫のノコンギクや黄色いツワブキが花群を作り、木々を見上げて紅葉を促しているみたいに見えます。秋も深まり始めた今日この頃、皆様にはいかがお過ごしでしょうか。
館長室からNo.105」の井上館長の記事にありますように、9月から11月中旬にかけての玩具博物館は、校外学習の小学生たちで賑やかです。毎年、この季節には、姫路市だけでなく、加古川市、太子町、多可町、朝来市、西脇市、美作市など
見学後、小学校からはお便り文集が届きます。
の周辺の町々の小学校からも団体での来館があります。過ごし方はあらかじめ先生方と話し合って決めるのですが、「おもちゃのお話を聴く」「クイズラリーを楽しみながら館内をまわる」「おもちゃを作る」などのプログラムを2時間ほどかけて行うというパターンが増えています。

子ども達には、施設見学の仕方を学ぶという課題もあるのですが、本当に楽しんでくれたなぁと思うのは、帰り際に「センセっ、まだ、帰りたくない!!」「そうや、今度、ママに連れてきてもらおっ」「日曜日にお父さんと来るぅ」――そんな声々が聞かれるときです。実際、土日になると、数日前、講座室で風車を作っていた子が家族でやってきて、ご両親に玩具の説明をしたり、結構くわしい解説をしていたり、また、「こっちは6号館やで~!」と案内して回っている姿も見られます。先日の日曜日も、「あ、ぼく、この間、学校から来てくれたよね?!」と声をかけると、親御さんが「よっぽど楽しかったみたいで、毎晩のように連れてけと言うので…」と話して下さいました。それは、私たちスタッフにとって嬉しい瞬間です。
小学校からの団体見学の様子…見学のあとは駐車所横の公園でお弁当。アベマキのどんぐりが落ちていて子どもたちを喜ばせます。
また秋は、教育や保育学、博物館学、あるいは美術や造形を専門とする学生さん達の訪問も少なくありません。10月末の土曜日には、前期のみ井上館長と交替で出講している大学の1回生たち85名を迎えて、一日、館内授業を行いました。保育・児童学を専門とする学生たちに玩具へのアプローチ方法について―――歴史を語る史料として見つめた時、民族資料として見つめた時、美術工芸品として見つめた時、人間の成長に役目を果たす道具として見つめた時―――そのさわりをお話しします。将来に役立つ知識を得ていただくというより、小さな玩具が身にまとっている文化に目を向ける楽しさを伝えたくて。屋根裏部屋にしては天井の高い講座室も展示室も、170のきらきらとしたまなざしが行き交い、伝える喜びに満たされた一日でした。若い人たちの感受性は想う以上にやわらかですね。
6号館講座室での授業の様子
そんな秋を過ごしながら、一方で6日間ほど深夜仕事を続け、6号館を冬の特別展『世界のクリスマス』に展示替えいたしました。細部まで思いを込めて―――。造形物を通して、クリスマスの意味を読み解いていく展覧会――今冬のクリスマス展のみどころについては、またこちらのページでもご紹介したいと思っています。
今冬の「世界のクリスマス展」……天井からつるし飾ったフィンランドの「ヒンメリ」に照明が当たって綺麗です。



NO. 186
北九州のおもちゃ作家、湯元さん                         (2015.9.29 学芸員・尾崎織女)

旅のコサメビタキが玩具博物館の庭を訪れた日、北九州市小倉のおもちゃ作家で、館と長くお付き合いのある湯元桂二さんの訪問を受けました。湯元さんは、ご自身の創作おもちゃを愛車に積み込み、震災後の東北地方の子どもたちのもとへと旅しておられます。保育園や幼稚園、児童館に到着すると、たくさんのおもちゃを広げ、それぞれのおもちゃで遊びます。そのあと、それらすべてをつなげて、NHK番組の“ピタゴラスイッチ”のごとく、おもちゃワールドを作りあげあげていくワークショップを行っておられるのです。2011年3月11日の東日本大震災から毎年のボランティア活動―――旅先には湯元さんを待っておられる園もあり、また新しく訪ねていかれる館もあるそうです。今回は、9月5日に小倉を出て、一カ月近くの一人旅。宮城から福島をまわり、新潟経由でご自宅に戻られる途中に、玩具博物館へお寄り下さったのです。25ヶ所もの園でおもちゃのワークショップをなさってこられた様子は、旅の日誌の中にしっかり書きとめておられ、アイディア満載!温かく地道な活動に胸を打たれました。

 

湯元さんのバンの中にはおもちゃがいっぱい!! バンから展示館へとたくさんのおもちゃを出して見せて下さいました。「ハリネズミの徒競争」は洗濯バサミの数やつける位置でスピードが変わります。ゴムが巻き戻る力を利用して慣性の法則を見せる“メリーゴーランド”、“達磨落とし”のごとく、どんぐりをペッドボトルの中に落とす“どんぐり落とし”、左右の紐を調整しながらビー玉を落とさないように運んでいく知能と巧緻性を要するおもちゃなど、楽しい作品の数々―――。ご来館者は我も我もと挑戦され、展示室いっぱいに笑顔の花が咲きました!

  

湯元さんには、これまでもたくさんのおもちゃを寄贈いただいています。お家の扉を開けると、27個もの木の玉がダダダダダーと流れ出してくるおもちゃ、ペットボトルを利用した玉転がし、大きなカタツムリの坂道下り―――どれもこれも大人気! 長く遊ばれ、白木の色が茶色くなったそれらを「よく遊んでもらってるね」と、笑顔で撫でておられる湯元さん。今回は館へやってくる子ども達のためにと、“どんぐり落とし”を置いて下さいました。ペットボトルの上に輪をのせ、さらにてっぺんにどんぐりを載せます。木の棒で輪だけを抜き取り、どんぐりをペットボトルの中に落とすアイディア玩具です。いつも遊びにきてくれる近所の子どもたちに新しいおもちゃの到着を知らせると、ダッシュで館へ飛び込んできて、さっそくどんぐり落とし大会が開かれていました。ご来館下さる皆さんには、ぜひ、手にとって遊んでみて下さい。



NO. 185
海外からのお客さま                         (2015.9.21 学芸員・尾崎織女)
爽やかな秋晴れに恵まれ、穏やかなお彼岸となりました。館の裏庭には三色の彼岸花が咲き揃い、目に見えないものの訪れをひそやかに告げているようです。皆さまはシルバーウィークをいかがお過ごしでしょうか。玩具博物館は、多くのご家族連れの来館者をお迎えし、プレイコーナーの玉転がしやレールのおもちゃで遊ぶ子ども達の楽しげな声が開け放った窓々から赤とんぼ渡る秋空に響いています。

秋になって、私たちは海外からのお客さまをお迎えしました。おひとりは、国立台北芸術大学で博物館学を専攻する大学院の学生さん。彼女の研究テーマは、玩具に表現される大衆の歴史について。それがわかりやすく見られる「ままごと道具」をとり上げたいと調査を申し込んでこられました。台湾には、玩具を広く所蔵する博物館は存在せず、歴史と玩具の関係を紐解いていくために、どうしても日本玩具博物館の所蔵品を熟覧したい…と。その勇気と情熱に感じるものがあったので、収蔵庫からままごとに関する所蔵品をすべて広げ、また私たちの知りうる限りの文献や情報なども提示して、3日間の調査にお付き合いいたしました。とても純粋で優秀な学生さん。若い人の目の輝きに接すると本当に嬉しくなりますね。
異文化にある彼女の視点によって、玩具博物館のままごと道具コレクションがどのようにとらえられ、どのような研究に結びついていくのか、非常に楽しみです。

国立台湾芸術大学の大学院生、ままごと道具資料を調査中
また先日は、数年前から交流のあるチェコの首都プラハにある国立博物館“ナープルステク・ミュージアム”の学芸員で、同館が所蔵する日本と韓国のコレクションを担当しておられるトマーシュ・クリーマさんのご訪問を受けていました。館内をひとめぐりご覧いただいた後は、クリーマさんがご興味をもっておられる「神戸人形」について、資料を交え、長時間、お話をしました。ナープルステク・ミュージアムは、幾人かのチェコ人コレクターから寄贈された様々な日本の生活資料を所蔵しており、中には私たちが知り得なかった明治・大正時代の日本の古玩具が含まれていることは、2012年にご来館下さったエレナ・ガウディコワさんから、既に、教えていただいたことでした。(※学芸室からNo.128「プラハに残された100年前の日本のおもちゃ」でご紹介しています。)プラハの町では100年も前から日本文化に親しむ人たちがおられ、また今も、日本の玩具をテーマにした展覧会が人気を博している最中だと伺いました。嬉しいですね!
私たちの展示品に注がれるクリーマさんのまなざしはとても暖かく優しく、また、長く文化財としての価値を与えられてはこなかった玩具資料に対するクリーマさんの感じ方、考え方に深い信頼と共感を抱きました。彼の訪問は、遠い世界に仲間の存在を感じさせる嬉しい出来事。このようなつながりによって、いつかすばらしい何かが生まれたら…と夢が広がります。
玩具博物館の神戸人形(おばけ人形)コレクション
(明治~大正期)の一部
国立ナープルステクミュージアムの学芸員・
トマ-シュ=クリーマさんに播州の蛤笛を披露する井上館長
国立ナープルステクミュージアムが所蔵する
神戸人形の一部(同館コレクション図録より)
玩具博物館の資料を日本国内だけでなく、世界各地の方々が研究資料として活用できるように整えていくことは、私が学芸員として館に着任したときのひとつの目標でしたから、このような方々のご訪問をとても嬉しく思います。けれども、玩具博物館の所蔵資料に様々な専門分野から光があたるべく、我らが90,000点の玩具たちの居場所をもっときちんと整えていくためにはソフト面、ハード面ともに課題が山積みになっていて、将来のことを考えると、頭がくらくらしてきます。それでも、臆せず放り出さず、自身の今、出来る最良のことを少しずつでも進めていきたいと思う秋です。



NO. 184
牛窓の「八朔ひなかざり」見学                         (2015.9.13 学芸員・尾崎織女)
白鷺今日は旧暦の八朔。皆さんが暮しておられる地域では「八朔(はっさく=八月朔日、八月一日)」の節句を祝われますか? 玩具博物館のある町では八朔の祝いは行われていませんが、瀬戸内海沿岸地方には、“たのもの節句”ともよんで、八朔行事を伝えている町々があります。“たのも”とは、「田の面」「田の実」とも書き、八朔は、田に実りゆく稲の健やかなことを願い、お世話になった方々に感謝を表わす行事として知られています。太陽暦では季節感が合いませんので、ひと月遅れの9月1日、あるいは太陰暦8月1日に行われています。
郷土玩具の世界には、この節句にあたって、子どもの誕生を祝い、元気な成長を祈って贈られる玩具や人形の数々が残されています。福岡県甘木の「八朔びな」や福岡県芦屋の「八朔馬と団子雛(ダゴビーナ)」、広島県尾道の「田面船(たのもぶね)」などが有名ですが、数年前には「学芸室からNo.111」で、広島県宮島に伝えられる「たのもさんの船」を紹介させていただきました。兵庫県下では、たつの市の港町・室津に古くから伝えられた八朔行事が復活を果たしており、今年も8月22日から30日まで、古い町並を舞台として、13回目の「八朔ひなまつり」が行われました。
八朔行事に飾られる雛人形は、素朴な紙雛や草雛の類から、桃の節句と変わらぬ豪華な衣装雛までその姿はさまざまです。そこには米の粉を蒸したり茹でたり搗いたりして、人形や動物の姿に細工した“シンコ細工”が供え物として、また初節句の子どもたちへの贈り物として登場してきます。シンコは、田の実りに感謝する初秋の節句にふさわしい素材と考えられたのでしょう。
先週末は、友人とともに、岡山県瀬戸内市牛窓が町をあげて取り組んでおられる「第6回牛窓八朔ひなかざり」の行事見学に出かけていました。牛窓は瀬戸内海に面した古い港町で、江戸時代には李氏朝鮮からの通信使節を迎え入れ、接遇した町としても知られています。「八朔ひなかざり」に参加して、雛人形を飾っておられるお宅は、唐琴通りを中心に32軒。各家庭、手作りの品々をまじえ、遊び心たっぷりに雛飾りを楽しんでおられます。雛飾りのほとんどは、昭和30年代から60年代、それに平成時代の新しい衣装雛も少なくないのですが、中には、大正末期の大阪製御殿飾り雛があり、また、女雛の袖が雛台を隠すほどに長い、明治中期の“見栄っ張り雛”の姿もありました。これは、他の瀬戸内地方の町々にもみられることから、地方独特のユニークな様式として知られています。
唐琴通りの家々にはお座敷いっぱいに雛飾りが広げられています。2枚目の写真が女雛の袖が長く特徴的な雛人形。
そして、牛窓の八朔行事といえば、「ししこま」です。
「ししこま」とは、不思議な名前で、いったい、どんなものなのか、呼び名からは想像もつきません。初めてそれを知ったのは、菓子文化の研究者である溝口政子さんがご研究の一端を紹介なさっておられるこちらのホームページでした。
<いとをかし*牛窓の八朔のししこま」> http://www.m-mizoguti.com/ito/sisikoma.html 

牛窓では八朔にひなまつりが行われ、女の子が生まれ、“初びな”を迎えるの家では米粉から「ししこま(獅子狗の字が当てられます)」を作る風習がありました。町の子どもたちは、初びなの家を目指して「ししこま貸してちょうだい」と訪ね歩き、もろぶたに並べられたししこまを(貸して)もらいます。ししこまの数を競い合ったあとは、焼いたりして食べたそうで、それは本当に美味しく、子どもたちにとって心待ちの楽しい行事だったと牛窓のご婦人方に伺いました。ししこまは貸してもらったのですから、またいつかお返しするのです。今、ししこま保存会の皆さんが普及と伝承につとめ、八朔ひなかざりを行う家々には保存会の皆さんが作られた「ししこま」が配られ、お雛さまのもとに供えられています。それはとても愛らしいものです。
雛飾りの前には“ししこま”がお供えされています。鯛、海老、鰈、蛸、烏賊など海の幸にくわえ、花をつけた茗荷なども作られています。
これらの他には、ギザミ(ベラ)、柿や桃、巾着、兎などがあります。
今回の牛窓訪問の第一目的は、その「ししこま」つくり体験。古くは牛窓一帯で行われた八朔のししこま作りでしたが、今は西町だけがその風習を受け継いでいます。西町倶楽部では、「ししこま保存会」のご婦人方が、米粉を水で練って団子を作り、ゆでた後に臼でつき、そして色粉を混ぜて、細工前の準備万端整えておられました。50人まで体験できる分を整えられた保存会の皆さんは大変だったことでしょう。
地元の女性たちにまじって、子ども達も参加し、保存会の皆さんが先生となってテーブルごと、丁寧に指導されている風景を見ていると、胸があつくなってきます。私たちは、保存会代表の千場さんのテーブルに着かせていただき、お話を伺いながら、地元のご婦人と一緒に7種類ものししこま作りを教わりました。
遠来の来訪者もありますが、牛窓へ嫁いでこられた若いご婦人や子ども達の姿が目立ちます。裁縫に使うへらやはさみ、平櫛をうまく活用して様々な形のししこまができあがります。ししこまは食べるときには、再び暖めて砂糖醤油などをかけていただきます。もっちりしていてとても美味しい。その昔はまたとないご馳走だったことでしょう。
本当に楽しい体験。はさみ、へら、櫛で、切り込みを入れたり模様をつけたりして、それは鮮やかな海の幸が出来上がっていきます。はさみもへらも櫛も女性たちの日常に欠かせない道具。ししこまが女性の世界で伝えられてきたことを実感しました。また、郷土玩具の世界が、このような行事食と相通じていることをまたあらためて想いました。
かつて初びなを迎えるときには必ず作られた
「臼ねぶり」と向かい合わせの鯛。千場さんは
実演しながら、そのいわれをお話し下さいました。
古きよきもの、よきことを次の世代に上手にバトンタッチしくことに心を砕く、その行為は本当に尊いものですね。今年の「牛窓ひなかざり」は9月13日で終了してしまいましたが、また来年、クラシックな港町を舞台にした初秋のひなまつりへお出かけになられてはいかがでしょうか。お世話になりましたししこま保存会の皆さま、本当にありがとうございました。


NO. 183
夏休みの博物館実習生                         (2015.8.29 学芸員・尾崎織女)
学芸室は、今夏も博物館学芸員を目指す学生さんたちを博物館実習生として受け入れました。作業スペースなどの関係で、一度に2~3人ずつがやっとなのですが、少人数だからこそ、密度の濃い時間を過ごしてもらえるはず。実際に博物館施設における学芸職は年々、狭き門になっているのですが、施設の内側をしっかり学んでいただくことで、社会における博物館の大切な役割を体験的に知り、日本の博物館を支える社会人になっていただけたら、という思いで実習指導に当たっています。
今回は3名。ガイダンスのあと、寄贈品の収蔵登録の作業を始めたのですが、びっくりするぐらいモノ(=博物館資料)をよく見てよく考えられる学生さんたちで、久しぶりに私の心が躍りました。玩具博物館の資料収集、登録保存、調査研究、展示企画、普及活動などの現状を理解いただくことはもちろんですが、常設コーナーの清掃整理、梱包実習、テーマ展「イースターエッグ」の撤収、そして「ままごと道具」展示コーナーをつくる実習、おもちゃ教室の準備と補助、ワークシート作成と実施……など、こなしていただく課題はたくさんあります。一週間の実習に盛り込み過ぎのプログラムですが、3人は、話し合いながら、考えながら、誠実に、懸命に課題に取り組まれました。いい空気といいハーモニー。若い人たちの感受性の豊かさに接して、見慣れたモノたちが違った輝きをもってくるのを嬉しく感じました。
           
博物館実習の様子
常設展示コーナーの清掃整理、新収蔵資料の登録、
梱包作業、小展示の撤収作業、おもちゃ教室の補助
実習生たちが3人で知恵を出し合って作成した「日本玩具博物館クイズラリー」は、一枚刷りに切り込みを入れて、帳面状に折りたたむカタチ。最近、ワークシートや報告書などでも、見かけるようになったものです。来館者に展示を楽しんでいただく上で、「クイズラリー」は、ほんの小さなことですが、伝えたいことを明確にする、来館者の視線を想いやる、絵を描く、写真を撮る、デザインする、文章を考える、PCをあやつる……いろいろな能力が要求されます。楽しいものができあがり、最終日に実施した3人は、博物館の中で「モノ」と「来館者」の間に立つ楽しさと苦労、そしてやり甲斐をしっかり感じて、目を潤ませておられました。今回は、私も、若い人たちのひたむきさに接して初心を思い出し、新鮮なアイディアや工夫にたくさん学ばせて頂きました。
その様子を画像でご紹介いたします。

実習生作成の「日本玩具博物館クイズラリー」
  来館の子どもたちにとって記念になる
  楽しい冊子が出来ました。

クイズに答えるため、展示室をまわる子どもたち



NO. 182
夏の草花遊び                         (2015.8.27 学芸員・尾崎織女)
お盆を過ぎて朝夕は涼風が立ち、ツクツクボウシとアブラゼミの大合唱にまじって、ヒグラシの声も聞かれるようになりました。夏休みも残りわずか。真黒に日焼けした子ども達が両親と一緒に館内の玩具を楽しげに見まわる姿にも、どこか夏休みが終わる寂しさが漂います。
この夏は、館の周りに生育する植物を集めて、草花からいろんなものを作って遊びました。玩具博物館では開館以来、地域各地に伝承される草花や貝殻、木の実などで作って遊ぶ自然の玩具を収集していますが、『作ろう草玩具』(佐藤邦昭著・築地書館・2004年刊)を入手したところ、作り方の解説がすばらしく、その本に取りあげてある20種類すべてを作ってみたくなりました。カンゾウのカタツムリ、ススキの葉やシュロの葉で作るバッタ、麦わらの馬、エノコログサの馬、葛の茎の虫かご、ソテツの葉の虫かご、ヤシの葉の熱帯魚や風車・・・・。20種類の中には、私たちの地元、播磨地方に伝承されているものがあり、九州南部や沖縄など南国独自の伝承遊びあり、また、台湾や東南アジア、ハワイなど、他国の伝承玩具もあります。
カンゾウの葉のカタツムリ二種 ススキの葉のバッタ 棕櫚の葉のバッタ
麦わらの馬 ヤシの葉の熱帯魚 ヤシの葉の風車
実際に作ってみることで、こうした遊びを創造した先人たちの、自然素材を活かす知恵や動植物に対する観察眼の鋭さを追体験できますし、ちょっとした手先の工夫が創り出す造形の美しさ――普段はまったく気づきもしていない――に触れることができます。館の周りで遊ぶ子どもたちにちょっと見せると、皆、それらの作り方を知りたがり、コツさえつかめば、どんどん夢中で作り始めるのです。別の何かに発展させていく子もあります。私たちは、もっともっと四季折々の草花遊びを子どもたちに手渡してやりたいと思います。それらは、子どもの心に安らかな思い出を残し、美意識の基礎をつくっていくものと思うからです。
ソテツの葉で虫かごを編む
来年の夏休みのワークショップでは、このような草花を使った自然遊び――特に播磨地方に伝わるもの――をシリーズで取りあげてみたいと思っています。



NO. 181
七夕の贈りもの                         (2015.7.10 学芸員・尾崎織女)
梅雨の晴れ間の青空に早、アブラゼミの鳴き声が聞こえ始めました。小暑を過ぎ、いよいよ暑い夏が近づいておりますが、皆さまにはいかがお過ごしでしょうか。
太陽暦の七月七日は過ぎてしまいましたが、今夏、兵庫県立歴史博物館からご依頼をいただき、同館1階の“歴史工房”の展示コーナーに姫路と生野の七夕飾りをたてました。これは、県立歴史博物館が周辺施設と連携して、博物館的な協働を行っていく第一歩となる試みです。県立歴史博物館のこの夏の特別企画展は、『姫路今むかし』。“歴史工房”には、かつてのふるさとの夏を想起していただけるような一角を…と考え、日本玩具博物館からは、他地域にはあまり知られていない“紙衣”が登場する「ふるさいとの七夕」をご紹介することに致しました。展示の風景を画像でご紹介いたします。
姫路市飾磨で飾られていた「七夕船」   姫路市から高砂市にかけての播磨灘沿岸地方に伝わる七夕飾り
 ひと月遅れの八月七夕、姫路市の古くからの港町・飾磨を中心と する地域では、昭和40年代頃まで「七夕船」が飾られました。
 全長1㍍に及ぶ屋形船で、船大工の手で作られる本格的なもの もあり、屋形の中にろうそくを点したり、豆電球をチカチカ光ら せたりして、笹飾りともに七夕の夜を情緒豊かに彩りました。
七夕にヒトガタ形式の紙の着物が飾られた記録は江戸時代後期の文献にあり、全国で行われていたと推測されますが、今も継承される地域は限られています。当館館長の井上重義が播磨灘沿岸地域に遺されている「七夕さんの着物」を発見したのは、昭和42年8月7日。
報告するまで民俗学者にも知られておらず、また地元の方々も、全国でも珍しい民俗行事であることに気付かれていませんでした。

朝来市生野町に伝わる七夕飾り
江戸時代には天の織姫に小袖を捧げて裁縫の上達を願う“貸し小袖”の風習がありました。姫路や生野の紙の着物は、近世の七夕文化を受け継ぐものと思われます。生野の七夕飾りは一旦、廃絶しましたが、今また見事に復活を果たしています。7月上旬に生野を訪ねると、古い町並みに七夕飾りが立ち並ぶ情緒豊かな風景に出合えます。
高度経済成長期を境として、地域が伝える七夕まつりは退潮へと向かいましたが、今、また復活に取り組む町も増えています。
ここに紹介する七夕飾りは、二本の笹飾りの間に、細竹やオガラ(麻の茎)を渡して、「七夕さんの着物」、あるいは「七夕さん」と呼ばれる紙衣をずらりと並べ飾るもので、不思議なことに、かつて塩田で栄えた姫路市妻鹿から高砂市曽根町に至る播磨灘沿岸の町々、そして銀山で栄えた朝来市生野町にだけ伝承されています。昭和30年代頃までは、行事が終わると、七夕飾りはすべて近くの河川や海へと流されていました。そのため、古い資料が残されることは少なく、今回、歴史工房に展示する七夕飾りは、私たちのふるさとに伝わる七夕を知る上で、貴重なものといえるでしょう。

兵庫県立歴史博物館の1階“歴史工房”はフリー入館スペースです。「ふるさとの七夕」は、8月30日まで展示がありますので、暑い季節ですが、お運びいただければ幸いです。
http://www.hyogo-c.ed.jp/~rekihaku-bo
http://www.hyogo-c.ed.jp/~rekihaku-bo/images/h270709-tanabata.pdf

 七夕のとわたる船の梶の葉にいく秋書きつ露の玉づさ(藤原俊成卿の七夕の短歌)

その昔、七夕の歌や願い事は梶の葉に書かれていました。ひと月遅れの七夕には、日本玩具博物館でも七夕飾りを立てますので、その折に梶の葉があれば、古式ゆかしくて嬉しいのだけれど…とあちらこちらの会で話しておりましたところ、日本玩具博物館ちりめん細工の会講師の南尚代さんから、可愛らしい梶の苗木が届きました。ご自宅の梶の大木から育った苗木なのだそうです。ぜひ、館の庭のどこかに植えて下さいと、なんと情趣のある贈り物でしょうか。7月7日が明ける夜には、その苗木から、手のひらよりも小さな梶の葉を二枚だけいただき、水に浮かべて星まつり。あいにくの空模様でしたが、梶の葉のかわいらしさが嬉しい夕べでした。
南さんに感謝を込めて、その苗木は、6号館とらんぷの家の間の庭に植えて、大きく育てようと話しています。


  


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