2017年2月 
 
金助まり(鹿児島県/1990年代)



 直径30㎝にもなるこの大きなまりは、鹿児島地方で幕末に桃の節句を祝う飾りとして、雛人形の段飾りの隣に天井から吊り下げて飾られていました。遊ぶためのものではなく飾り用で、この地方独特の薩摩雛、押し絵とともに雛祭りの飾りとして欠かせないものであったようです。大きいもので60~70㎝にもなり、全国郷土玩具の糸布鞠の中で最も大きいサイズです。
 山吹の芯や鉋屑を丸めた上に糸を巻いて下地を作り、ちりめんなどの布を巻いて、その上に色とりどりの糸で刺繍が施されます。刺繍のモチーフには宝船、唐獅子と牡丹、松竹梅、鳳凰など、縁起のいい豪華な意匠が用いられます。当時は鹿児島城下の下級武士階級の女性の手内職として作られ、売り歩かれました。
 赤いちりめんの上に鳳凰や宝船、桜の花の刺繍が美しいこちらの金助まりは、当館3号館の常設コーナーでご覧いただけます。
 
2017年1月

琉球張子・鶏(沖縄/左:1930年代・右:昭和後期)
 

2017年度の干支の動物(=鶏)の玩具の中から、沖縄の琉球張子をご紹介します。
沖縄では昭和初期頃まで、旧暦5月4日から5日間「ユッカヌヒー」という玩具市が年に一度開催されていました。当時沖縄に玩具店等は存在せず、子供たちが遊ぶ玩具は身近な素材を使って作られたものでしたが、この時だけは別でした。子供たちは年に一度の賑やかな玩具市に胸を躍らせ、またその親も我が子の健やかな成長を祈って玩具を買い与えました。
玩具市で売られていた玩具は今では姿を消したものも少なくありませんが、琉球張子も戦争によって廃絶。戦後に故・古倉保文氏の手によって復活を果たしました。古倉氏の没後、数名の作者に引き継がれました。
写真左の張子は戦前のもので、大正末期の玩具収集家、尾崎清次氏から寄贈を受けました。現存している戦前の琉球張子はほとんど残っておらず、今では貴重なものとなっています。全体的に落ち着いた印象を持ちつつも、細部の彩色には黄や紫、紅色などの琉球らしい色使いが目立ちます。
写真右の張子は古倉保文氏が手掛けた、昭和後期のものです。この独特な形は伝統的なもので、首部分がゆらゆらと揺れ動く仕掛けになっています。
こちらの張子は、現在開催中の冬の企画展「鶏のおもちゃ」で展示中です。

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