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NO123
特別展「世界のクリスマス」と「朝日新聞・関西遺産」のことなど
(2017年11月8日  館長 井上 重義)
フランスとイタリアのツリー飾りなど(当館の展示)
当館入り口には兵庫県花の野路菊の白い可憐な花が咲き、晩秋の季節を迎えました。尾崎学芸員がHP「学芸室から」で『今冬二つの「世界のクリスマス展」』と題して書いていますが、今年は当館と神戸の二箇所で所蔵品に基づく『世界のクリスマス展』が開催され、その準備と展示作業に終われる日が続きました。神戸の会場も当館のクリスマス展もすばらしい展示で、ご覧いただければその内容に驚かれると思います。実はこのような世界各国のクリスマス飾りが数千点も展示されるのは、国内だけでなく、世界でも珍しいのです。
当館が世界のクリスマス展の開催を始めたのは1985年です。同年の夏、私は北欧各国の玩具調査に北海道教育大学伊藤隆一先生と出かけ、その際に各地でクリスマスに飾られる数多くの資料を入手しました。そして同年秋に、収集していた世界各地のクリスマス関係資料と共に約300点を展示し、それが当館の世界のクリスマス展の始まりです。その後、私は各地でクリスマスに係わるいろいろな飾りが伝承されていることを知り、それが日本のお正月行事と人形を飾る点では雛祭りとも共通すると考えて精力に収集に取り組みました。時代が良かったこともあって約70カ国から4000点を超える資料の収集に成功しました。ヨーロッパ各国やカナダ・アメリカ・ブラジルなどでは現地で貴重な資料を収集し、国内の民芸品輸入業者の協力もあり、貴重なコレクションの構築ができたのです。

先月11日の朝日新聞夕刊の「まだまだ勝手に関西遺産」(朝日新聞「勝手に関西遺産」で検索ください)の欄に、当館がカラーで半ページもの大きさで取り上げられました。朝日新聞夕刊
朝日新聞の記事
に毎週水曜日、関西遺産として関西各地の観光地や施設などが取り上げられているのですが、「関西遺産の推薦を募ります」の記事を見て、当館の資料を送付したところ早速に取材があり、紹介されました。嬉しかったのは経済アナリストの森永卓郎様の「集めるよりも維持管理のほうが大変です。自治体などの協力があるといいです。井上さんには頑張って欲しいです」とのコメントが載りました。新聞を見たと来館される方も大勢あり、皆様、予想を超える施設の規模と内容に驚かれます。個人、それも一介のサラリーマンが設立した博物館ですから、小さな博物館だと思ってこられるのです。先日も大阪から来館されたか方が「民博にも劣らないすばらしい内容ですね」と驚かれ、「来てよかったと」感想をお寄せくださいました。

東京のたばこと塩の博物館では来春、1月23日(火)~4月8日(日)まで当館出品協力による「ちりめん細工の今昔」が開催されることになり、その準備に追われています。昨日、ひと足早く同館からポスターとチラシが届きました。いずれもすばらしいデザインです。チラシはA4サイズですが見開きになっていて開けると大きくA3サイズになり、担当者の発想と熱意に驚きました。
実はたばこと塩の博物館での当館所蔵資料によるちりめん細工展は今回で2度目です。前回の開催は「ちりめん細工の世界」と題して2007年
チラシの表紙 見開くとこのような画面に
2月10日~4月8日まで開催されました。大勢の来館者があり、大成功といえる内容で、それが引き金になり、関東地方でのちりめん細工ブームに繋がりました。当時、たばこと塩の博物館はJR渋谷駅から徒歩で10分ほどでしたが、現在は移転して同館はスカイツリー近くの墨田区横川1-16-3にあります。
オープン当日は私の「ちりめん細工の復興に取り組んで」の講演や2月24日には尾崎学芸員の「ちりめん細工の歴史をたどる」の講演会、さらにちりめん細工の体験講座も開催されます。ご期待下さい。

文化の日を前後して例年、「館長室から」で私は、博物館を取り巻く厳しい状況について述べてきました。残念ながら私立博物館を取り巻く環境は厳しくなるばかりです。当館は来館者の評価は高く、国内各地からだけでなく、海外からも再三来館され、来て良かったと嬉しいお言葉をいただきます。しかし来館者数は低迷し、20年前の年間6万人が1万8千人と大きく減少しました。いくらよい施設でも地域力が減退すれば駄目になるとの言葉通りです。当館が所蔵する膨大な資料は個人の私有財産だとは考えておらず、何とか社会の手で守ってもらいたいと模索する日が続きます。もう7年も前になりますが、館長室NO57で「文化の日に、博物館の現場から・・・春は来るのだろうか」と題して書いています。お読みいただければ嬉しいです。

NO122
「獅子頭の玩具」の展示が始まりました。
(2017年9月22日  館長 井上 重義)
にぎやかな蝉の鳴き声も聞こえなくなり、赤とんぼが飛び交う静かな季節になりました。館の周辺には紅白の彼岸花が咲き、6号館への
5号館(ランプの家)の東側の小路に咲く彼岸花
小路には可憐な水引き草が咲き乱れて、都会とは一味違う風情に来て良かったと皆さまに喜ばれています。
去る20日(水)の休館日を利用して、現在1号館で開催中の「日本の祭りのおもちゃ」の一部展示換えを行いました。展示コーナの一角には青森県弘前の扇ねぶたや京都の祇園祭の鉾など夏祭りに因むおもちゃの数々が展示されていたのですが、秋祭りの季節に因んで
東日本各地の獅子頭など
各地の秋祭りに出る獅子舞の玩具110点を展示しました。すべて当館が所蔵する資料です。
東北地方から九州地方まで各地で作られた張子製の獅子頭を中心に木製のものが並び、さらに獅子舞の光景を表現する人形なども並んで見応え十分です。制作年代も80年も前の昭和初期の現地でも見ることができない貴重品約20点や、他にも廃絶して現在では作られていない青森県弘前の獅子頭、福島県久ノ浜張子の獅子頭、名古屋や高山の獅子頭、鳥取県鳥取や倉吉の獅子頭、高知や熊本県宇土の張子の獅子頭など、珍しい獅子頭の数々が一堂に展示されています。恐らくこれほどの獅子頭の玩具の数々が並ぶのは例がないと思います。
同時に会場では東北から九州まで、全国各地の祭りに出る神輿、山車、太鼓台、それに天狗や猿の面などが地方毎に一堂に並び、日本全国の祭りが総覧できる楽しい展示です。秋祭りの季節も到来。この機会にぜひ御来館下さい。

青森県弘前の獅子頭
(昭和初期)
福島県三春張子の獅子頭
(昭和初期) 
岐阜県高山の獅子頭
 (昭和初期)
鳥取県鳥取の木製の麒麟獅子
(昭和初期)



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