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NO116
雛人形展の季節になりました。

                                      (2017年2月15日  館長 井上 重義)
昨年の年末以降、神戸開港150年記念展のKIITO(デザイン・クリエイティブセンター神戸)の展示と当館での雛人形展の準備。さらにはこの3月に出版予
神戸市長も出席された開会式のテープカット
定の『ちりめん細工の小袋と小箱』(朝日新聞出版)と『日本と世界おもしろ玩具図鑑』(神戸新聞総合出版センター)の2冊の本の編集作業とが重なり、仕事に追われる毎日でした。
 KIITOでは先月25日から当館所蔵品約2000点を展示する「TOY&DOLL_COLLECTION」がスタートし、さらに当館でも去る4日から6号館で「雛祭り~雛と雛道具~」が始まりました。いずれの展示も大変な作業でしたが、他では見ることができない当館ならではの魅力的な展示です。
 ひと息ついたとはいえ、20日からはKIIITOの春の企画展の展示替えと当館1号館の「なつかしの人形~昭和
「世界の伝承玩具」(KIITO)の展示
時代の人形遊び~」の展示と、大きな仕事が引き続き迫っています。そんな次第で館長室の更新も2ヶ月ぶりになりました。

KIITOでの展示は、常設展が「世界の船」「日本の郷土玩具と近代玩具」「神戸人形」ですが、季節毎に企画展示があり、現在は新春の企画展として19
日(日)まで「世界の伝承玩具」と「ちりめん細工」を展示しています。伝承玩具の展示では世界各地のコマやけん玉、ヤジロベエなどが並び、ちりめん細工は会場のKIITOがかつて生糸の検査場だったことから神戸で初めて「ちりめん細工」を開催しました。ただ来場者の評判は上々なのですが、会場が三ノ宮駅から南へ徒歩で約20分もかかることや人の流れがないことなどから来場者が大変少ないのです。それをどうすればよいかが大きな課題です。
「ちりめん細工」(KIITO)の展示

 ただ、この22日から始まる春の企画展示の「世界の国の人形たち」は国際港都神戸にふさわしい展示であり、さらに「雛飾りと端午の節句飾り」も、神戸が経済的に大きく発展した大正時代に飾られた雛人形と端午の飾りが一堂に展示され、神戸では過去になかった展示だけに大きな
「雛飾り」展(KIITO)で展示される
灘の造り酒屋の御殿飾り
話題を呼ぶのではないかと思います。雛人形は舞子の旧家と灘の造り酒屋で飾られた立派な御殿飾りですが、当時、家が1軒買えたと聞きました。さらに須磨の旧家で飾られた京都の大木平蔵製の雛人形や宮内省御用達の神戸・上田人形店で売られた勝手道具など、神戸ゆかりの雛飾りたちの里帰り展だけに、大勢がご来場下さるのではないかと期待しています。

当館6号館での「雛祭り~雛と雛道具~」も、江戸時代から昭和初期までの雛人形32組が一堂に並ぶ素晴らしい展示になりました。西室には江戸時代~明治時代の享保雛と古今雛と立雛など17組が美しい雛屏風の前に並び、東室には明治~昭和初期までの御殿飾り6組と段飾り3組が時代を追って展示されています。手前味噌になりますが、私自身が感動するのはその質の高さです。西室には江戸時代に滋賀の呉服屋で飾られていたと伝わる享保雛、江戸の桃柳軒玉山の古今雛、明治初期に東京から京都へ玉眼(ガラス目)の手法を伝えた玉翁の古今雛、有名な京都の大木平蔵の古今雛など、当時の最高クラスの雛人形がずらりと並びました。それに東室の御殿飾りや段飾り、雛道具の数々も当時の最高級品です。
 私自身も、これほどの内容での雛人形展は国内でも珍しいのではないかと思います。江戸期の雛人形などは大半が購入資料で永年の蓄積の結果ですが、檜皮葺の御殿飾りなどは市場に出ることはなく、大半が寄贈品です。今回も大阪の江戸時代から続く旧家から寄せられた御殿飾りを初公開していますが、来館された皆様から「こんな素晴らしい雛人形展を見るのは初めてです。来てよかった」と喜びの声を再三いただきます。
 5号館のランプの家でも大正から昭和初期の御殿飾りと段飾りを展示しています。ぜひご来館ください。
初公開の大きな屏風をバックに飾られた
江戸時代の古今雛
初公開の大阪製の
大正時代の御殿飾り
京雛の段飾り
最後に嬉しいニュースです。婦人画報の4月号から来年3月号までの1年間、同誌の目次頁に当館所蔵の世界の玩具が「お伽の国の歳時記」として紹介されます。4月号はイースターエッグ。尾崎学芸員が毎号解説いたします。

NO115
「ミシュラン・グリーンガイド」に二つ星(★★)で掲載

                                      (2016年12月18日  館長 井上 重義)
今年も残るところあと十数日。寒風が吹く季節になりましたが、庭には美しい椿の花が咲き始めました。1号館の企画展「鶏のおもちゃ」と6号館の特別展「世界のクリスマス」が好評で、来館された皆様から「期待以上に素晴らしい博物館で驚きました」と再三嬉しいお言葉をいただきます。

そんな折、大きな嬉しいニュースが届きました。去る16日に神戸の六甲山上の六甲ビューパレスで「ミシュラン・グリーンガイド兵庫」に掲載される施設や観光地の発表会があり、要請があって出席しました。7月にはミシュラン・グリーンガイドの編集者がフランスから来られて当館にも調査に入られたこともあり、調査地は限られていましたので、星がもらえるのではないかと期待をしていたのです。それが「二つ星」。思いがけない大きな評価に驚いています。「ミシュラン・グリーンガイド兵庫」に紹介されていたのは36箇所だったのですが新たに23箇所が掲載されることになり、それに当館が選ばれたのです。当館が二つ星と発表を聞いたとき、胸に熱いものがこみ上げてきました。一つ星でももらえることが大変なのに、当館の価値に気付いて下さった関係者に心から感謝申し上げます。
ミシュラン・グリーンガイドに紹介される観光地は、豊かな自然や多彩な文化に触れることができる興味深い観光地です。★★★は「わざわざ旅行する価値がある」、★★は「寄り道する価値がある」、★は「興味深い」を意味し、評価はミシュラン・グリーンガイドの基準によって決められます。兵庫県内では三つ星は1箇所で姫路城。二つ星は明石海峡大橋や城崎温泉、神戸市立博物館など7箇所で、それに当館が選ばれたのです。まさかと思いました。姫路市内では8箇所が紹介されていますが、一つ星が好古園と円教寺と姫路市立美術館の3箇所であとは星無しです。

去る8月には,オックスフード大学日本研究図書館からも当館に係わる書籍の請求があり、10冊(寄贈4冊)をお送りしました。図書館長から「『私の玩具遍歴』を読み、個人経営で今まで作り上げられてきた貴博物館のほぼ半世紀に亘る歩みを大変興味深く拝読し、その並々ならぬご尽力に心から感服しております」と嬉しい礼状が届きました。

今年は海外から当館に対して、大きな評価をいただいた記念すべき年になりました。来年は神戸市から依頼を受け、神戸開港150年記念事業の「神戸港と神戸文化の企画展」に1月25日~12月28日までTOY&DOLL COLLECTIONとして約2000点を展示いたします。オープンの1月25日は私の78歳の誕生日です。残る人生を評価されずに失われようとしていた文化遺産の保存のため、スタッフと共に全力投球で頑張る決意です。よき新年をお迎えください。

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