NO. 239
クリスマスプレゼントは経木モール!?&よいお歳を^^
                                       (2018.12.25  学芸員・原田悠里)
○みなさまメリークリスマス~♪
34回目を迎える玩具博物館の冬の特別展「世界のクリスマス」ですが、わたしとしては初めての玩具博物館でのクリスマスシーズン。ワークショップ絵本朗読会展示解説会と、突然のサンタクロースの訪問(!?)と、「世界のクリスマス」をめぐる当館恒例の12月の日々を来館者のみなさまと過ごすうちに、あっという間にクリスマス当日の朝を迎えました。
サンタクロースが玩具博物館にやってきた~!
◎さて8月の学芸室だよりでお届けした「経木モール」を覚えていらっしゃいますでしょうか。日本製クリスマス飾りのはじまりとされるもので、明治30年代後半から製造され、主にアメリカを中心に海外に輸出されていたものです。当館はこの「経木モール」の実物を収集できておりません。同じく経木モールについて、調べられている神戸芸術工科大学の相澤孝司先生、実際に作られていた柏原町や神戸産業さんにもお伺いし、貴重なお写真を拝見することができました。しかし、実物にお目にかかることはできず、改めて日本でのクリスマスの広がりを探るべく、尾崎学芸員とともに調査を進めるなかで、この経木モールの実物を確認したい思いでおりました。
 ところが!今週さる筋から、経木モールではないかというものを館長と館のスタッフが見つけ、なんと昨日12月24日に当館の資料として収蔵することができました@o@!!
さらに赤、緑、黄?(白木にしては黄色いような気もするので、染色されているのではと)の3色セット!

経木モール!& 経木モールと
昭和20年代製のオーナメントのクリスマスツリー

 長さが4mほどあり、幅は1㎝です。パッと見た感じでは、たわしのようで、素材もあまりにも細くて経木製とはわかりません。よく見ると、1㎝の長さで1mmにも満たないほどの幅の経木が連なっていて、中心に糸があることがわかります。経木は5mmや1cm幅でじゃばらのようになっている箇所もありました。神戸会長から、「細い経木を並べて、縦の中心を固定して、ねじると経木が裂けてさらに細かくなってモールになる」とお聞きしたので、そのような製造方法で作られたものかもしれません。
中心に白い糸があり、ねじっている様子がわかります。

 産地や年代を特定することが難しいのですが、今回、メイドインオキュパイドジャパン(占領下の日本製で、昭和22年~昭和24年の輸出品にはオキュパイドの表記が義務化されていました)というスタンプが押されたツリー飾りとともにこの経木モールが見つかったため、おそらく戦後に作られたもので、昭和20年代製のものではないかと考えられます。夏に聞き取りをさせていただいた神戸産業の神戸会長の、プラスチックが導入されると経木製のものは瞬く間に作られなくなったというお話からも、戦後まもなく作られたものではないかと考えられます。
Made in occupied Japan (占領下の日本製)
のスタンプがある張子のベル


 1924(大正13)年にアメリカの雑貨店から出されたクリスマス飾りのカタログに掲載されている「Popular Japanese roping Green or Red」という商品にも酷似しています。ガーランドではなく、ロープと表現され、まさにロープの束のように描かれていた商品を見て、これがモールかな?と思っていたのですが、比べてみるとそっくりです。
1924年のアメリカの雑貨店のクリスマスカタログ

 イブに収蔵できたこともあり、クリスマスプレゼントのようで、早速に資料登録の後、「世界のクリスマス」の日本のコーナーでご紹介しています。昭和50年代以降のツリー飾りで彩られたツリーの中に、経木モールと占領下の日本製のツリー飾りが入ると、日本のコーナーもぐっとクラシックに見えます。

 年が明けましたら、実際に経木モールの生産に携わっていらっしゃった神戸産業さん、そしてお祖父さまの経木加工工場で子どものころに経木モールを見られた柏原町のT氏にも今回収集した経木モールを見ていただこうと思っております。

「世界のクリスマス」日本のコーナー

◎さて2018年も残すところわずかとなりました。本年も日本玩具博物館を見守り、活動を支えてくださってありがとうございました。2019年は平成が終わり、玩具博物館は開館45周年を迎えます。玩具の世界も大きく変化した平成時代ですが、おもちゃや遊びは子どもにとって楽しくて、心の成長にかかせないものというのは、いつの時代も変わらないのではないかと思います。新たな元号を生きるみなさまに、玩具博物館がより一層喜んでいただけるよう考えてまいりたいと思います。来年もどうぞよろしくお願いいたします。

NO. 238
目が出る芽が出る!めでたい神戸人形・亥
                                       (2018.12.1  学芸員・原田悠里)
カレンダーも残すところあと1枚!?ひぇ~!師走に入ると、年末年始の準備にとりかかる方も多いのではないでしょうか。
本日、ウズモリ屋の吉田さんご夫妻が神戸人形の新作を持ってご来館くださいました。なんと、来年の十二支にちなんだ「亥」の神戸人形です!十二支をモチーフにした神戸人形は、今年の「戌」から作られ始められたちょっと変わり種の神戸人形です。おめでたい赤色(カシューナッツのカシューが原料の塗料だそうです。)の土台に、かわいらしいウリ坊が乗っています。おいしそうな竹の子をめがけて、猪突猛進のウリ坊ですが、つまみをまわすと、なんと狙っていた竹の子が消えてびっくり!つんのめって目も飛び出しています(笑)ウリ坊が動く際に、カタッ、カタッと鳴る、木の音もとってもかわいらしい!
よし!おいしそうな竹の子にかぶりつくぞ! え~!!消えてしもた!!!
この神戸人形は、朴の木で作られていて、ウリ坊のしっぽには、イワシクジラのヒゲが使われているそうです。詳しい製作過程は、ウズモリ屋さん公式の「ウズモリ屋の神戸人形ブログ」に書かかれています。木からウリ坊を削り出す様子や、それぞれの部品がどのように組み合わされて作られているのか、からくりの仕組みも写真つきでご紹介されていますので、神戸人形だけでなく、からくり玩具や人形制作に興味のある方もぜひご覧になってみてください。
今回、吉田さんのご厚意で館の資料として1体をご寄贈いただきましたので、さっそくに資料登録をさせていただき、1号館で開催中の「猪のおもちゃ」に仲間入り♪神戸人形のユニークさと新春のめでたさが合わさった亥の神戸人形に会いにいらしてくださいませ。
            
 つんのめるウリ坊を手に、ウズモリ屋吉田さんご夫
そしてなんと吉田さんが、工房太郎&ウズモリ屋特製のアドベント・カレンダーを館にプレゼントしてくださいました!クリスマス
1日は運転手のこぼっとくんでした!
の夜の神戸を走り抜けるウズモリ屋印の二階建てバスが主役のようです。ツリーには、リンゴとドイツの経木細工の光のオーナメントが!神戸人形だけでなく、吉田さんが日ごろ手掛けていらっしゃる人形たちも登場するということで、玩具博物館スタッフで毎日楽しみにめくってゆきたいと思います♪                                           
                           
そうです!お正月も待ち遠しいですが、その前にクリスマス★。12月に入ると、ヨーロッパでは、アドベント・カレンダー(待降節の暦)を楽しみに過ごす子どもたちもいます。アドベント・カレンダーは、19世紀ドイツの家庭で誕生し、デンマークやスウェーデンなどでも盛んです。クリスマスの町の風景などの美しい絵の中に、1~24までの数字が書かれた窓があり、窓をあけるとクリスマスにちなんだ絵が出てきます。12月1日から毎日ひとつずつ日付と同じ窓を開け、すべての窓が開いた日がクリスマス・イブ。
玩具博物館のアドベント・カレンダーがあったらいいなぁ~と思い、考えた結果、おもちゃたちに協力を依頼しました!24日まで毎日ひとつのおもちゃが、日付の数字をかかげてくれます。記念すべき1日は、ドイツ・エルツ地方で作られた「煙出し人形・おもちゃ売り」です。さてどこにいるでしょうか^^
ご来館いただいた際には、ぜひ輝く星印を探して、玩具博物館のアドベント・カレンダーをお楽しみください。  

黄色い星が目印です。アドベント・カレンダーに選ばれたおもちゃ売りを右上からチラリと見ているのはプラムの人形ツッヴェッチゲンメンラインの音楽家(笑)

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