NO. 231
三重県総合博物館(MieMu)「おもちゃ大好き!」展オープン!
                                  2018.7.9 学芸員・原田悠里)

この度の記録的な豪雨の被害には言葉が見つかりません。被災されたみなさまに心よりお見舞い申しあげます。
 当館は、すぐそばを流れる市川の水位があがり、不安な夜をすごしましたが、なんとか氾濫をまぬがれ、資料と館内、スタッフもおかげさまでみな無事でした。
 暑さも厳しくなってきている中で、被災地のみなさまの心身の疲労を思うと胸が痛みます。一日も早くみなさまが元の生活に戻れますようにと念じ祈るばかりです。

5月より貸出準備をすすめておりました、三重県総合博物館(MieMu)での、企画展「おもちゃ大好き!郷土玩具とおもちゃの歴史」展(会期7/7(土)~9/2(日))がはじまりました。ポスターデザインに合わせたおもちゃがいっぱいのわくわくするメインゲートをくぐり、まずは考古資料に
企画展示室入口
遠く古代の人々との遊びの共通点や大陸との交流に思いめぐらせていると、見えてくるのは地元三重県のお土産文化の源流。伊勢の賽木や笙の笛、竹の鳴りごま、おぼこ人形に導かれて、近世江戸時代に花開いた日本全国の郷土玩具の世界が広がります。そして明治、大正、昭和平成へと時代を反映しながら移り変わっていく近代玩具は、メンコやおまけ、ままごと道具の変化に注目して見ることでより時代のエッセンスを知っていただけることと思います。最後には津市内で営まれているおもちゃ屋さんの声とともにこれからのおもちゃへのメッセージが伝えられています。見応えたっぷりの展示です。

当館からは特別協力として約1000種類の玩具資料を貸し出していることもあり、展示作業(6/29~7/3)にもしっかりと加わらせていただきました!MieMuの担当学芸員U氏とMieMuの学芸員の方々、そして博物館展示専門の日通さんとともに進めていきました。
 事前に展示シミュレーションは行っていますが、さまざまな大きさと形をもつ玩具の展示には、現場での細やかで微妙な調整が必要となります。
とくにMieMuの巨大な展示ケースは横が開くスタイルとなっています。そのため、横から資料を持ち込んで入り、展示をしては一旦外に出て、キャプションやパネル、高い壁面とも調整しながら全体のバランスを確認する、ということを繰り返しながら、ひとつひとつのコーナーを作り上げていきます。さらに展示台と展示台の間、展示台と壁面の間が30cmほど(!)、その隙間で資料を展示し、キャプションを付けたりするのはなかなか神経をつかいます^^;小柄で柔軟な身体が向いています(笑)
 展示作業の様子
また今回は展示専門の日通さんが入ってくださっていたので、壁面の双六やパネルは最新の赤外線レーダーを使って高さが正確にビシッとそろっています。また郷土玩具のコーナーではMieMuの広くて高~い展示室に郷土の凧を舞い上がらせてくださいました。
各地の楽しい凧がダイナミックに揚がっている展示空間は、きっと来館者のみなさまにも強い印象をもっていただけるのではないでしょうか。
展示風景
古代から現代へとおもちゃ文化の歴史をたどりながら、こまや双六、ブロックや木製玩具で遊ぶことができるコーナーもあり、大人も子どもも楽しめる展示になっています。今年の夏はぜひMieMuでおもちゃ文化の歴史に触れてみてください。

さて、当館の夏は今年も恒例の“夏休みおもちゃ教室”を開催いたします!
5日間で4つのおもちゃづくりを企画しています。①少しの風でもとてもよく回る「4枚ばねの風ぐるま」、②きれいな千代紙が消えたり現れたりする「かくれ屏風」、③ゴムの動力ですいすいと水面を進む「水車ボート」、糸をひくと羽根が回転し、④糸を自動でまきとる「風車小屋」です。どれも身近な材料で作ることができて、楽しいおもちゃです。からくりや動力を観察する夏休みの自由研究にもいいかもしれませんよ^^♪
以下の日時に行いますので、参加ご希望の方は、FAX(079-232-7174)かお電話(079-232-4388)でお申し込みください。
・7月28日(土)11:00~12:30 4枚ばねの風ぐるま 参加費300円
(要予約)
・7月29日(日)11:00~12:00 かくれ屏風 参加費300円
・8月_5日(日)10:00~12:00 牛乳パックの水車ボート 参加費400円
(要予約)
・8月11日(土)10:00~12:00 牛乳パックの風車小屋 参加費400円
(要予約)
・8月25日(土)11:00~12:00 かくれ屏風 参加費300円


NO. 230
三重県総合博物館(MieMu)での「おもちゃ大好き!」展、出展準備完了
                                  2018.6.11 学芸員・尾崎織女)
三重県総合博物館(MieMu)の外観
今夏は三重県総合博物館(MieMu)で第20回企画展「おもちゃ大好き!」(会期=2018年7月7日~9月2日)が開催されます。日本玩具博物館は、この展示に特別協力して総数900点を超える玩具資料を出品することとなり、GWの頃よりその準備作業を進めてきました。MieMuの企画展示室は、面積912平方メートル。恐竜も展示できる超大型の展示ケースを備えた空間には、展示を中心に、プレイコーナーやワークショップコーナーも設置され、静と動が混じり合う楽しい催事が計画されています。
             
展示構成はプロローグとエピローグをもつ7章だてです。考古資料なども登場する「第1章・おもちゃ昔むかし」、次に、近世のおもちゃの世界を「第2章・三重の郷土玩具」と「第3章・郷土玩具北から南から」でご紹介し、明治時代以降の近代玩具の歴史を「第4章・近代日本とおもちゃ」「第5章・戦争とおもちゃ」「第6章・おもちゃの大変革期」「第7章・テレビとおもちゃ」…と時代を追って展観するものです。MieMuの企画担当者U氏は、おもちゃの歴史を振り返り、未来に伝えていきたい玩具文化について、来館者の皆さんと一緒に考えていく内容に仕上げたいと話しておられます。私たちは、その趣旨に賛同し、第3章から7章までの展示にご協力することとなりましたので、いつものように、展示スペースと同等の場所を作業場にシミュレーションし、そこに玩具を展示していく形で、出品資料選定と梱包作業を進めていきました。
出展作業の様子
作業は、あちらこちらに収蔵している郷土玩具や近代玩具の梱包箱を井上館長の車で、6号館2階のフリースペースに運び入れるところから。200梱包を超える段ボール箱に収蔵している玩具を、時代を追って開梱し、その中から趣旨にあうものを選定して展示していきます。展示スペースに陳列台なども組み上げて、バランスを見ながら実際に展示してみて、その後に一点一点の情報を確認しながら出品目録として記載していきます。記載が終わると、一点一点を梱包し、展示グループごとの梱包ケースに収めていきます。そうした作業は、新人学芸員の原田ともども、日々、深夜までに及びましたが、一箇月半をかけてすべての作業を終え、それらは大小72個の梱包箱に収納できました。
郷土玩具も近代玩具も合わせて900点を超える資料を出品します
一方、MieMuからは、展示内容の打ち合わせはもちろん、ポスターや図録のための資料撮影や仕掛けの楽しい玩具の動画撮影に担当学芸員U氏とT氏が度々来館されました。小さな玩具の造形が我々の生活史や時代精神を体現していることの面白さ、興味深さを話し合い、また展示をつくりあげていくことへの期待と不安を共有して、心を通い合わせる日々を過ごしています。
MieMuの担当学芸員氏による資料撮影風景です
MieMuの前身である三重県立博物館は、日本の博物館施設といえば、私立博物館が優勢であった昭和20年代、他の県に先がけてオープンを果たした公立博物館の老舗です。県立博物館の先達となり、モデルともなって歴史を刻んできた館ですが、場所を移転新築して再開館した2014年以降も、館の使命に照らしたユニークな活動を積み上げておられます。そのような花も実もある立派な博物館とご一緒させていただく今回の仕事は、日本玩具博物館にとって大きな糧となるに違いありません。図録やパネル、キャプション等の製作や実際の展示作業にもご協力致しますので、オープンまで気の抜けない日々が続きますが、三重県にお住まいの方々をはじめ、多くの地域、幅広い世代に楽しんいただける内容になるよう、私たちも精一杯努めたいと思っています。MieMuの「おもちゃ大好き!」展―――どうぞご期待下さいませ。
http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/MieMu/





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