姫路の観光振興についての提言(2006年5月)

                                                井上重義(日本玩具博物館館長)

1、姫路ならではの観光資源の発掘や創造を
 国宝姫路城は世界文化遺産に登録され、海外からの来訪者も多い。それらの観光客を満足させる、姫路城を支える魅力的な観光資源の発掘と紹介、創造が大切である。特に他では見られないもの、体験できないもの、味わえないものなど、姫路ならではのものを考え創出し、紹介することが大切ではなかろうか。識者による観光施設評価、問題を掘り下げるためのシンポジュウム開催も考えられる。

2、イベント中心の観光でなく、何時訪ねても楽しい街づくりを
 イベントは1日か、数日で終わることが多い。しかしホテルを始め観光施設は、365日連続して観光客を受け入れている。イベントは1年= 365日から言えば限られた日数だ。イベントに頼るのではなく、継続性のある、何時訪ねても楽しい街づくりこそが大切ではなかろうか。都市間競争が激化している現在、他都市の真似ではなく、 姫路ならではの魅力を考え創出することが大切ではないか。

3、観光は民間主導で、行政は支援役になって欲しい
 「観光振興は近道のない積み上げ作業である」との言葉どおり、観光は人的ネットワークや長年の積み重ねが大切である。民間は長年に亘り観光の仕事に携わっているものが多く、豊富で有益なノウハウを持っている。し かし行政の担当者は、ほとんどが2〜3年で他の部署に移動され、経験の蓄積や観光のプロといえる方は育たない。移動により人が変われば、官民の連携も地道な活動の継続も途切れ、一からのスタートになりやすい。そのためにも観光は民間が主役になり、行政は民間の活動をサポートし知恵を出す、黒子役であることが必要だと思う。誘致活動も、官と民とが共に出かけることが必要ではないか。人的ネットワークも大きな財産であることを認識いただきたい。

4、関係者の交流の場を
 今春、塩田温泉の夢の井において、行政により観光関連関係者による話し合いの場が開催された。観光に関連する官民の関係者が一同に集い、お互いの現状を報告し分析、将来に向けての戦略を忌憚なく話し合い有益であった。そんな観光関連関係者の連携の場を作っていただくのも行政の役割のひとつではないかと考える。観光に携わる有識者を毎年招き、関係者が話し合い、姫路の観光についての「戦略的会議」を積み重ねていくことが 必要ではないか。

5、観光情報の提供と情報誌の発刊を
 3月、山形の庄内地方と金沢を訪ねた。ホテルを始め観光施設や人の集まる商店街などには、パンフレット棚が設置され、地域の行事、観光施設などのパンフレットが置かれ、観光客にとっての必要な情報が得ることができて有益だった。姫路の観光情報を発信するため、本町の観光案内所だけでなく、姫路城内、駐車場、セントラルパーク、書写山、ホテル、博物館・美術館など、主要観光拠点にパンフレット棚を設置すべきではないかと考える。またそれの一元的運営(たとえば資料を集約管理し、配布体制を整備するなど)についても考慮する必要があると思う。また施設が各自に情報を発信するだけでなく、姫路でのその月の催しなどがわかる情報誌(日本語・英語・中国語・韓国語、4〜8ページでよい)をホテルや駅、観光関連施設に置くべきでないか。文化振興財団から『情報誌姫路』が発刊されているが、発行部数や内容などにおいて観光情報誌としては不十分である。

6、新市域の観光関連施設の視察について
 本年3月末から合併により姫路市のエリアが広がり、夢前町、安富町、香寺町、家島町が統合された。それらの町の観光関連施設を実際に目で見て、それぞれの施設の魅力を考え、姫路の観光振興に生かす方法を考えて欲しい。
                                                                                                                                                                                                                                      以上