日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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展示・イベント案内

exhibition
常設展

「日本の郷土玩具」

会期
1979年9月10日(月)
会場
4号館1階

日本の郷土玩具を地域ごとに約650種2000点を展示しています。

江戸時代後期から明治時代にかけて子どもたちの健やかな成長を願い、身近にある紙や木、竹や土などを使って、各地で楽しい玩具や人形の数々が作られました。それらは、日本各地の風土や暮らしの中から生まれ、郷土の伝説や信仰、美意識、幸福感などを反映して、その土地ならではの味わいをもっています。


●北海道・東北地方●
 木で作られた網走のニポポや東北各地のこけし、優雅で繊細な土人形や張り子の人形、祭りに因んだ金魚ねぶたと鹿おどりに梵天の玩具、雪の上で回す津軽のずぐりこま、鳴子や蔵王で作られた競馬こまや林檎こま、それに日本三駒として有名な八幡馬と木ノ下駒と三春駒など、東北らしさがあふれた玩具や人形たちを紹介します。廃絶して入手不可能な八戸のくけまりや久ノ浜張り子などが見どころです。

山形県に伝わる土人形

●関東地方●
 すすきみみずくや暫狐、千木筥、犬張り子に今戸人形など、大都市・東京には今も江戸時代からの伝統を継ぐ玩具の数々が今も神社から授与されたり、伝統を継ぐ人々の手で作られています。日光の茶道具や箱根の寄せ木細工や組木、江戸こまなどの古い歴史を持った木製品の数々。明治時代からの歴史を今に伝える高崎だるまや招き猫、芝原人形に鴻巣人形などの貴重な人形たちも紹介します。

江戸・東京の郷土玩具

●中部・甲信越地方●
 北陸路の風土から生まれた能登のキリコの玩具や新潟の鯛車、加賀のからくり仕掛けの玩具。独特の風格をもつ富山や金沢の獅子頭。金沢の八幡起き上がりや静岡の髭だるま、甲府の親子だるまなど、ユニークなだるまの数々も、この地方ならではの存在です。楽しいのは、凧どころ静岡や愛知のユニークな形の凧。信州のあけび細工の鳩車、桐原の藁馬も山国の風情を伝えています。

●近畿地方●
 古都京都に伝わる伏見人形や鄙びた風情がある大和出雲人形。商都大阪の初辰の猫や種貸しさんに神農さんの虎、奈良法華寺の守り犬などの授与品、温泉土産で有名な有馬の人形筆や城崎の麦わら細工など、どれもが古い歴史に彩られた玩具です。伊勢参りの土産として親しまれた鳴りこまや練物玩具。作る人がなくなった京都の清水の豆人形や伊勢の竹蛇にも懐かしさが漂います。

●中国・四国地方●
 山陰路の鳥取の流し雛やきりん獅子。出雲の鯛車と張子の虎、山陽路の季節感漂う倉敷のすいんきょや尾道の田面船などの玩具。全国の土人形の中でも評価が高い三次人形や長浜人形。四国の高松や高知の張り子玩具の数々。南国らしい土佐の鯨車や鯨船。四国の祭りを代表する太鼓台や牛鬼の玩具。今は作る人がなくなった撫養の首人形や高松の運動人形、今治のこまや宇和島のこまも並びます。

島根県に伝わる土人形

●九州・沖縄地方●
 廃絶した産地が目立つとはいえ、今も楽しい玩具や人形が数多く作られているのがこの地方です。昔の博多人形の伝統を守って作られる古博多人形やその流れを汲む津屋崎と弓野人形。素朴な独特の描彩で知られる赤坂人形と尾崎人形。熊本の木の葉猿も全国でも類がない独特の雰囲気をもった人形です。江戸時代の開港地長崎の歴史を伝える古賀人形もユニークな作品が目立ちます。一方、沖縄の玩具は大陸の影響を受けて、独特の雰囲気を醸しだしています。

九州に伝わる張子や土人形(宇都張子など)


<新常設「兵庫県の玩具コーナー」*神戸人形> (2021年9月2日→ )
 長くした親しんでいただいた「こけし」展示をしばらくお休みいたしまして、「兵庫県の玩具コーナー」を設けました。現在は、ミナトマチ神戸が育んだからくり人形「神戸人形」を展示しています。明治中期から昭和初期にかけて、野口百鬼堂や出崎房松、八尾、小田太四郎らの手によって生まれた神戸人形の代表作品をご紹介しています。

「兵庫県の玩具コーナー・神戸人形」展示風景


長らく展示しておりました「東北地方木地玩具*こけし」はしばらくお休みいたします。
(1979年9月10日→2021年9月1日)

東北地方のこけし

4号館2階「世界の民族玩具」常設展示室へ  → こちら