日本玩具博物館の使命と博物館活動
Our mission & Museum activitiesわたしたちの使命 Our mission
- 日本玩具博物館が50余年かけて築きあげ、現在も収集を続ける玩具や人形に関するコレクションを公共の文化遺産と位置づけ、収集・保存活動を通して玩具文化を次世代へと継承していきます。
- 有史以来、人類ともに存在してきた玩具の成り立ちについて明らかにするべく、調査・研究活動を進め、それらの成果を展示活動(館内展示・館外展示・国際交流展示)や普及活動(講座・教室・ワークショップ・出版など)を通して国内外に情報発信します。
- 地域や学校、子ども園などと連携し、玩具を取り巻く活動を通して、子育てや生涯学習、学校教育を支援します。また、玩具文化に関心のある市民が集い、和やかに交流できる空間構築につとめます。
主な活動 Museum activities
収集・保存活動
日本と世界の玩具や人形に関わる資料、子ども文化や子育て資料などを収集し、収蔵品カードを作成してデータ化を進めています。各時代の子どもたちに人気のあった玩具資料をすくいあげるとともに、近代化とグローバル化の中で失われていく伝承玩具の収集と保存に力を注いでいます。 収集方法には、現地採集、購入、寄贈などがあります。世界各地にミュージアム・フレンドをもうけ、民族的な資料収集のためのネットワークづくりに取り組み、世界の玩具博物館と情報や資料の交換を行っています。
- *伊藤三朗氏から寄贈を受けた中国民間玩具の受け入れ台帳。一 点一点の情報が記載されています。
- *大型コレクションの寄贈を受けることもあります。2012年4月・伊藤三朗氏より 寄贈を受けた中国の民間玩具約600点の整理風景。一点一点、登録番号を打ち、収蔵品カードに情報を記載していきます。
- *ヨーロッパ各地の博物館と交換収集を行っています。ルーマニア・シビウ市にある国立民族学博物館とは1993年より交流があります。ルーマニア各地の郷土玩具の寄贈を受けた品々。当館よりは日本各地の郷土玩具を寄贈しています。
- *当館の「日本玩具博物館カード」 カード に資料番号を玩具資料にも明記します。
調査・研究活動
*恒例の企画展テーマにからめて、地方に残された雛まつりや七夕まつりの風習を見学調査し、またヨーロッパ各地のクリスマス風俗の実地調査収集などを行ってきました。日本の伝承玩具やヨーロッパの木製玩具に自由に触れて遊べるプレイコーナーを充実させ、幼児教育関係者との交流をもち、子どもの遊びについての観察記録やアンケート調査も継続的に進めていこうとしています。
館長・学芸員が「日本人形玩具学会」「郷土玩具文化研究会」「日本ミュージアム・マネージメント学会」等に所属し、研究成果について交流を図っています。また国内外の玩具文化研究者とのつながりを大切にしています。
- 台北芸術大学の大学院生、ままごと道具の調査に来館。
- 2017年から3年間、「丹波篠山ひなまつり」の開催にあたり、各地区の雛人形の製作年代等の調査に入らせていただきました。
- 1994年より交流を続けてきたドイツ・バートキッシンゲン在住の玩具研究者・ヒラ=シュッツェ女史が2012年、日本の伝統玩具調査をかねて、来館されました。明治時代のおもちゃ絵本『うなゐの友』をご紹介しています。
- 日本人形玩具学会関西支部の皆さんともに、奈良県桜井市に伝わる「出雲人形」について調査しています。
展示活動
*館内では、常設展と、年6回の企画・特別展を開催しています。また国内外の博物館からの依頼により、様々な分野の企画・特別展にご協力しています。
*館内の常設展は、「日本の近代玩具」(2号館)、「ちりめん細工とびん細工・伝承手まり」(3号館)、「日本の郷土玩具」(4号館1F)、「世界の民族玩具と人形」(4号館2F)です。
*企画・特別展においては、玩具の普遍性と民族性、呪術性、歴史性などを様々な切り口で紹介しています。2月~4月の雛人形展、11月~1月の世界のクリスマス展は人気の高い恒例展です。企画の内容に合わせて、展示解説会や講座、ワークショップ、演奏会などを開催しています。
- *企画展の準備中。アジアの仮面を収蔵庫から取り出し、展示する資料を決めているところです。
- *他館からの企画以来を受け、展示ケースごとにシミュレーション 作業を行っているところです。
- *展示品の位置が決まったら、パネルを壁面にくぎ差しで止めていきます。(2018年夏・三重県総合博物館「おもちゃ大好き!」展にて)
- *双六の額装を行っています。 (2018年夏・三重県総合博物館「おもちゃ大好き!」展にて)
- *展示解説会風景(2017年夏・世界の民族楽器と発音玩具展)
- *展示解説会風景(2018年冬・世界のクリスマス展)
普及活動(講座・教室・ワークショップなど)
*企画・特別展に合わせ、取り上げた内容に一歩踏みこんでいただくための講座やワークショップなどを企画しています。黄金週間や夏休みを中心に開催する「伝承手づくりおもちゃ教室」や一年を通してシリーズで開講する「ちりめん細工講習会」は、長い歴史をもつ当館の看板講座です。
*当館の玩具コレクションを紹介する書籍やちりめん細工の作り方解説書などの出版活動にも取り組んでいます。
- *春恒例の「貝合わせ」を楽しむワークショップ風景。一対のハマグリ貝に絵付けを行い、王朝時代のごとく、貝合わせのゲームを皆で楽しみます。
- *クリスマス展示会場で、地元の高校生たちが開いた「キャロル」の演奏会。ヨーロッパのクリスマス飾りに囲まれ、清らかな歌声に来館者はうっとり。
- *「イースターエッグ展」に関連したワークショップ。卵殻に彩色してイースターエッグを作った後、ドイツのイースターの風習がわかる絵本の朗読会を開催。
- *夏休み恒例、6号館2階の講座室で開催する「夏休みおもちゃ作り教室」風景。親子で伝承おもちゃづくりに挑戦します。
- *「夏休みおもちゃ作り教室」風景。江戸時代の人気玩具「御来迎」の仕組みを応用して楽しい玩具が出来ました。
- *「世界の船のおもちゃ展」に関連したワークショップ。牛乳パックを利用して外輪船を作りました。
- *ちりめん細工研究会講座風景。七夕の乞巧奠の風習を学び、伝統的な七夕飾りを表現する作品をとりあげました。
- *ちりめん細工教室風景。4~5時間かけてひとつの作品を仕上げます。