今月のおもちゃ
Toys of this month
2006年9月
「セヌフォ族のカラオ鳥」
アフリカ西部、ギニア湾に面した小国・コートジボアールに居住するセヌフォの人々は、子どもが生まれると、「カラオ」と呼ばれる木彫の鳥を作らせてお守りとします。
カラオは、アフリカ各地に生息する「サイチョウ」を表現しています。西アフリカには十数種類のサイチョウが生息しますが、この地域では、創造神が最初につくった鳥と信じられてきました。サイチョウは、15日間で40個の卵を産む多産の鳥、クチバシが大きく、羽根の色は種類によって様々ですが、威風堂々とした風格のある鳥です。
セヌフォ族がつくるカラオは、たっぷりとふくらんだ腹部と長いクチバシが特徴的で、大きなものは高さが150cmを越えるものもあります。一般に、豊満な腹部は女性を意味し、クチバシは男根を象徴していると言われています。元来、子どもをたくさん授かり、村が繁栄するようにという願いが込められた造形でもありました。
写真は、高さ20cmほどですが、前後左右どこから見ても、生命感あふれる面白い小像です。現在6号館で開催中の「世界の鳥の造形」のアフリカのコーナーでご紹介しています。