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学芸室から 2019.12.01

クリスマスカレンダー*12月1日―待降節(アドベント)のはじまり

イルミネーションやクリスマスツリーに彩られたまちでは、クリスマスソングが流れ、すっかりクリスマスムードですね。当館でも日曜日ごとのクリスマス展解説会が始まり、あたたかな灯りの中、来館者のみなさまをお出迎えしています。

「光」の造形は冬至に向かう太陽を元気づけるためでもあります
小さなこどもたちもクリスマスのお話を聞きにきてくれます

西方教会では、クリスマス(降誕節)の4つ前の日曜日からアドベント(降誕節)がはじまります。今年は今日12月1日からアドベントに入り、本格的なクリスマスシーズンの幕開けです。

第一章「クリスマス・カレンダー」待降節のコーナーは、アドベント・キャンドルとアドベント・カレンダーをご紹介しています。

クリスマスの準備をしながら、あと何日かな!と日々を数えながら過ごす、そんなアドベントにかかせないもののひとつが、「アドベント・クランツ」や「アドベント・キャンドル」と呼ばれるキャンドルです。常緑の枝葉や、木の実で作ったリースの中に4本のキャンドルを立てます。天井からつるしたり、ダイニングテーブルや窓際に飾り、クリスマスまでの4回の主日(日曜日)ごとにキャンドル1本ずつに灯りをともしていきます。4本目が灯されるとクリスマスはもうすぐ!と期待と喜びで数日を待ち望みます。


アドベント・キャンドルのはじまりは実はそんなに古くありません。19世紀のドイツのヴィーヒャーン牧師が開いた、孤児院でアドベントの間、子どもたちに毎晩クリスマスの物語を語り、祈りを捧げた後、キャンドルに光をともしていたのがはじまりとされます。そのキャンドルに合わせて作られた常緑の植物をまきつけたシャンデリアの造形が、アドベント・キャンドルとしてひろまったそうです。今も各地で日曜ごとのアドベント・キャンドルの灯の下でクリスマスキャロルが歌われたり、クリスマスの物語が語られているようですよ。

麦わら細工でできたハンガリーのアドベント・キャンドル。アドベント・キャンドルの下で解説会をします。

アドベント・キャンドルとともに子どもたちがクリスマスを待つ楽しみに、アドベント・カレンダーもあります。最もポピュラーなものは、クリスマスや冬の風景の中に、1から24までの数字が書かれた小窓が作られ、12月1日から毎日1枚ずつめくっていき、最後の24枚目をひらくとクリスマスはもう明日という。他にも、見開きをはじめ、ツリーや家の形の立体型、タペストリーになっていてポケットがついたものや、ボックス型のもの、お菓子や小さなおもちゃがひとつづつ入っているものなど、楽しい仕掛けのものがたくさん登場しています。とくにドイツやデンマーク、スウェーデンではアドベント・カレンダーはかかせないもので、市庁舎やお店の窓など、町の中にも24の楽しい工夫がたくさん見られるようです。

当館のミュージアムショップでも毎年、ドイツやデンマーク、チェコから届いたアドベント・カレンダーを販売しています。12月の楽しみに、ちょっとした贈り物に、また、毎年求めてくださる方もいらっしゃいます。

今年の学芸室のアドベント・カレンダー^^ドイツのエピファニー(公現節)の風景でしょうか、三人の博士が家々を訪問しています。

今年は、アドベント・カレンダーをめくり、キャンドルを灯しながらクリスマスをまってみてはいかがですか。

(学芸員・原田悠里)

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