ブログ
blog
わらべ歌のなかの玩具文化の名残
●先日、当館へわらべ歌研究会の皆さまが来館され、わらべ歌と玩具文化との関係について楽しいお話になりました。「雛まつり展」をご覧になられた皆さまが流し雛にまつわるわらべ歌を唄ってくださったので、私は返歌として、こどものころ、姫路市の廣峯山のふもとのまちの広場で幼馴染たちと毎日のように唄っていた縄跳び歌をご披露しました。
三角四角 四角は豆腐
豆腐は白い 白いは兎
兎は跳ねる 跳ねるはお馬
お馬は赤い
赤いは金太郎さん
金太郎さんは強い
強いは大将
—―赤いものが、なぜ、金太郎さんなのだろうか…?と、こどものころは不思議でした。金太郎さんといえば血潮みなぎる健康優良児。実は、幕末から明治・大正時代において、赤い金太郎さんの人形は疱瘡除けのまじないでもありました。疱瘡(天然痘)は、種痘というワクチンが普及する明治後期にいたるまで、人々を深く苦しめた伝染病でした。疱瘡神がとりつくことで発病する考えられていた近世、その余韻を残す明治時代にあっても、疱瘡神を畏れさせる色として、逆に疱瘡神をもてなす色として、こどもたちのために日本各地で広く、赤い玩具が贈答されていました。血色がよく、丸々と太った金太郎さんのように、こどもたちが病魔に負けず、元気に育ってほしいという願いが込められていたのでしょう。私の育ったまちのわらべ歌は、赤い金太郎人形が愛されていたころの文化を伝えているのではないかなと思います。


—―ちなみに、このわらべ歌には「兎は跳ねる」からのバリエーションがいろいろあるようですね。皆さんが育たれた地域にはどんな歌詞が伝わっていたでしょうか。
(学芸員・尾崎織女)
バックナンバー
年度別のブログ一覧をご覧いただけます。