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学芸室から 2018.12.01

目が出る芽が出る!めでたい神戸人形・亥

カレンダーも残すところあと1枚!?ひぇ~!師走に入ると、年末年始の準備にとりかかる方も多いのではないでしょうか。

本日、ウズモリ屋の吉田さんご夫妻が神戸人形の新作を持ってご来館くださいました。なんと、来年の十二支にちなんだ「亥」の神戸人形です!十二支をモチーフにした神戸人形は、今年の「戌」から作られ始められたちょっと変わり種の神戸人形です。おめでたい赤色(カシューナッツのカシューが原料の塗料だそうです。)の土台に、かわいらしいウリ坊が乗っています。おいしそうな竹の子をめがけて、猪突猛進のウリ坊ですが、つまみをまわすと、なんと狙っていた竹の子が消えてびっくり!つんのめって目も飛び出しています(笑)ウリ坊が動く際に、カタッ、カタッと鳴る、木の音もとってもかわいらしい!

この神戸人形は、朴の木で作られていて、ウリ坊のしっぽには、イワシクジラのヒゲが使われているそうです。詳しい製作過程は、ウズモリ屋さん公式の「ウズモリ屋の神戸人形ブログ」に書かかれています。木からウリ坊を削り出す様子や、それぞれの部品がどのように組み合わされて作られているのか、からくりの仕組みも写真つきでご紹介されていますので、神戸人形だけでなく、からくり玩具や人形制作に興味のある方もぜひご覧になってみてください。
今回、吉田さんのご厚意で館の資料として1体をご寄贈いただきましたので、さっそくに資料登録をさせていただき、1号館で開催中の「猪のおもちゃ」に仲間入り♪神戸人形のユニークさと新春のめでたさが合わさった亥の神戸人形に会いにいらしてくださいませ。

 つんのめるウリ坊を手に、ウズモリ屋吉田さんご夫妻
1日は運転手のこぼっとくんでした!

そしてなんと吉田さんが、工房太郎&ウズモリ屋特製のアドベント・カレンダーを館にプレゼントしてくださいました!クリスマス  の夜の神戸を走り抜けるウズモリ屋印の二階建てバスが主役のようです。ツリーには、リンゴとドイツの経木細工の光のオーナメントが!神戸人形だけでなく、吉田さんが日ごろ手掛けていらっしゃる人形たちも登場するということで、玩具博物館スタッフで毎日楽しみにめくってゆきたいと思います

そうです!お正月も待ち遠しいですが、その前にクリスマス。12月に入ると、ヨーロッパでは、アドベント・カレンダー(待降節の暦)を楽しみに過ごす子どもたちもいます。アドベント・カレンダーは、19世紀ドイツの家庭で誕生し、デンマークやスウェーデンなどでも盛んです。クリスマスの町の風景などの美しい絵の中に、1~24までの数字が書かれた窓があり、窓をあけるとクリスマスにちなんだ絵が出てきます。12月1日から毎日ひとつずつ日付と同じ窓を開け、すべての窓が開いた日がクリスマス・イブ。

黄色い星が目印です。アドベント・カレンダーに選ばれたおもちゃ売りを右上からチラリと見ているのはプラムの人形ツッヴェッチゲンメンレの音楽家(笑)

玩具博物館のアドベント・カレンダーがあったらいいなぁ~と思い、考えた結果、おもちゃたちに協力を依頼しました!24日まで毎日ひとつのおもちゃが、日付の数字をかかげてくれます。記念すべき1日は、ドイツ・エルツ地方で作られた「煙出し人形・おもちゃ売り」です。さてどこにいるでしょうか^^
ご来館いただいた際には、ぜひ輝く星印を探して、玩具博物館のアドベント・カレンダーをお楽しみください。

(学芸員・原田悠里) 

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