日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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展示・イベント案内 exhibition

企画展

夏の企画展 「おもちゃで綴る昭和」

会期
2006年7月1日(土) 2006年9月5日(火)
会場
1号館

1926年、大正デモクラシーの余韻の中、自由主義的な雰囲気をもって始まった昭和時代は、大きな戦争を経て焼け跡から復興し、高度経済成長をとげた激動の64年間でした。
いつも子どもたちの傍らにある玩具は、小さなものでありながら、色や形、あるいは材料やテーマにも時代の精神がふんだんに表現されているため、これらを通して、私たちは昭和時代をふりかえることができます。

おもちゃの昭和時代は、家内工業的に手作りされる玩具が表舞台から退き、工場で大量生産される近代玩具が日本中に流通して、地方色が失われていった時代です。昭和20年代後半頃からプラスチックという新素材玩具が、すでに明治・大正時代に登場していたブリキやセルロイド製をしのいで主流となり、昭和30年代にはテレビの影響でマスコミ玩具が登場して今日への流れをつくりました。

本展では、昭和時代を彩った玩具500点を年代ごとに展示し、時代の移り変わりと子どもにとっての玩具の役割を探ります。また、メンコやコマ、おまけなど、時をこえて愛される玩具についても紹介します。ハイテク時代と言われる今日、次代に伝えたい玩具の姿を考える機会となれば幸いです。

展示総数約500点。


①大正末~昭和初期―ハイカラ趣味とロマン主義―………大正時代の終わりは、
日本中にデモクラシーの風潮が高まり、児童文化にも大きな関心が寄せられた時代です。子どもの心を育てる道具として玩具を位置づける考え方が強調され、玩具の中に情操の豊かさが求められました。
その余韻が続く昭和初期の玩具は、動物ぐるまや人形などに見られるように、詩情の豊かさが特徴的です。素材的にはキューピー人形などのセルロイド製玩具が一世を風靡しました。

象乗り童子(昭和初期/木製)
ゼンマイ仕掛の体操人形(昭和初期/セルロイド・金属製)

②昭和10年代―おもちゃの中の戦争色―………昭和6年の満州事変から、やがて日中戦争、太平洋戦争へと、日本中が戦争一色になったこの時代の玩具には、鉄かぶとにサーベル、大砲戦車、軍艦の玩具、愛国カルタやコクボウ双六軍国調のものが数多く見られます。戦争が激しくなるにつれ、玩具の素材は厳しく統制され、やがて金属製の玩具は作られなくなりました。
一方、昭和初期から10年代にかけては駄菓子屋玩具の全盛期です。グライダー、活動写真、竹トンボ、ベーゴマ、ピョンピョン駒などの小物玩具が勢揃いした駄菓子屋の店先は、子どもたちの楽しい社交の場となっていました。

戦争ごっこの鉄かぶと・ラッパ・サーベル(昭和10年代前半/ブリキ製)
愛国イロハカルタ(昭和18年・日本玩具統制協会発行/紙製)

③昭和20~30年代前半―廃墟からの復興―………戦後の日本、まだまだ生活は苦しいけれど、焼け跡から子どもの歓声があがります。ターザンごっこや西部劇ごっこ、野球ごっこなどに興ずる子どもたちの間で、ブロマイド、日光写真、写し絵、着せ替え、針金細工などの人気を博します。
占領下の日本では、輸出玩具に「made in occupied Japan」と明記することが義務づけられ、安価な日本製玩具が続々とアメリカへ送られていました。
昭和20年代の終わりには、玩具の新素材としてプラスチックが登場し、以降、玩具の材料の主流となっています。

MPジープ(昭和20年代中頃~/ブリキ製)
ゼンマイ仕掛のダンシング・カップル(占領下の日本製/セルロイド製)
日光写真(昭和20年代後半/紙・硝子製)

④昭和30年代後半~40年代―高度経済成長時代―………家庭用電化製品の様々が家庭になだれ込んだ時代。昭和28年放映開始のテレビは、34年の皇太子成婚をきっかけに大普及テレビは、子どもたちの生活にも大きな影響を及ぼし始め、やがてテレビキャラクターをテーマにしたものが商品玩具の主流を占めるようになります。鉄人28号、鉄腕アトム、ウルトラマン、オバケのQ太郎、仮面ライダーなどのマスコミ玩具がこの時代を代表しています。
日本経済の発展の中で、古い生活様式は急速に失われ、空き地が減り、子どもたちの塾通いも始まります。子ども世界が伝承してきた「原っぱ文化」の崩壊が社会問題となりました。

美智子さまきせかえ(昭和34年頃/紙製)
ゼンマイ仕掛のフラフープ・モンキー(昭和30年代中頃/ブリキ製)
おまけのカード/ベースボールカード(昭和40年代/紙製)

⑤昭和50~60年代―ハイテク時代―………家電製品にコンピューターが利用され、暮らしのハイテク化が進むにつれ、玩具の世界にも影響を及ぼし始めます、昭和50年代にテレビゲームが発売されて人気をさらい、さらに58年にはファミリーコンピューターが登場して、子どもの世界にテレビゲームが定着していきます。一方、宇宙戦艦ヤマト、機動戦士ガンダム、アラレちゃん、キン肉マンなどのマスコミ玩具は、相変わらずの人気を博し続けました。

機動戦士ガンダムのプラモデル(昭和60年代/プラスチック製)