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企画展

初夏のテーマ展 「端午の節句と金太郎」

会期
2001年4月21日(土) 2001年6月10日(日)
会場
2号館 L字コーナー

五月五日の端午の節句は、泰平の世が続いた江戸時代を経て一般化した初夏の行事です。そのはじめは、季節の変わり目に人々にふりかかる邪気を払い、心身の健康を保つための儀礼であったと思われます。江戸後期の武家や都市部の富裕階級が好んだ節句飾りは、華やかで勇ましい幟や武具が中心でしたが、江戸末期から明治にかけて節句行事が庶民の間で盛んになると、日本各地で、武者人形や金太郎、相撲とりなどの郷土人形が作られるようになりました。
本展では、これらのなかの「金太郎」の造形に焦点をあて、「松引き金太郎」「竹引き金太郎」「熊と金太郎」「鯉と金太郎」「山姥と金太郎」「疱瘡除けの赤い金太郎」などのグループで、庶民が愛した力強さと健康の表現についてご紹介します。

稲畑土人形・鯉抱き金太郎(兵庫県氷上郡氷上町/昭和初期)

―――金太郎

金太郎は相模の国(現在の神奈川県)足柄山に、山姥の子として生まれた怪力の持ち主で、のちに源頼光の四天王の一人「坂田金時」として剛勇の名をはせました。身体に腹がけ、肩にまさかりを担ぎ、熊や猿を相手に相撲を好む元気な金太郎は、日本人にとって男の子の理想像として親しまれ、これを人形化したものが江戸後期頃から端午の節句に飾られるようになります。

裸形の金太郎が赤く彩色されているのは、健康な子どもの力感を表わしているばかりか、赤い色が古くから疱瘡(天然痘)除けや悪病払いのまじないとされてきたことにも関係があります。また、松や竹の根を引き抜くもの、まさかりを担ぐもの、鯉や熊と組み合わせたものなど、いずれも躍動感のある力強い表現が特徴です。廃絶した産地のものを中心に、郷土人形のユニークな表情をご紹介します。

展示総数 100点

伏見土人形・熊と金太郎(京都府京都市/明治末期)
三次土人形・松引き金太郎(広島県三次市/明治中期)


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同時開催の企画展 → 春の企画展*2001「四季を彩るちりめん細工」