展示・イベント案内
exhibition冬の企画展 「鶏の造形」
- 会期
- 2004年11月20日(土) 2005年2月22日(火)
- 会場
- 1号館
●干支の動物をテーマにしたお正月の特別展も恒例となりました。「十二支」は、日本人の暮らしに根強く密着した民間信仰です。例えば、生まれ年にあたる動物の性質がその人の性格や運勢などに関係するという信仰、自分の生まれ年に因んだ動物を守りにする習俗などがあります。日本の郷土玩具はこれらを母体にして生まれた庶民的な文化財です。
●2005(平成17)年は酉(=鶏)年。干支の動物の中でも鶏は、馬、猿、牛などと並んで、土や紙を素材として数多くの楽しい玩具に作られてきました。これは、日常生活における日本人と鶏との交流の長さを表わしています。節句祭の闘鶏行事をはじめ、神社との結びつきが深かった鶏は、神の加護を得るために奉納される例があり、そうした神社の授与品として鶏の郷土玩具が伝わっています。また、鶏と童子を組み合わせた郷土玩具も各地に見られますが、これらには、勇猛果敢な闘鶏用の鶏を抱きかかえる力強い子どもの姿を表現したもので、鶏に託した人々の願いが感じられます。
●本展では、日本ばかりではなく、世界の約40ヶ国から鶏を題材にした玩具を紹介します。鶏がコツコツと餌をついばむ様子を表わした玩具、勢いよくはばたく姿を表わしたもの、雛を抱く愛らしい姿を表現したもの、あるいはトキをつくる鶏の声を表現したものなど、鶏の玩具は世界中で作られています。
●高らかなトキの声とともに闇夜のとばりを破り、朝を告げる鶏は、明るい太陽を招く力、ひいては世の中に幸福を呼び寄せる力があると、古代より信仰を受けてきました。鶏は、北方ヨーロッパでは太陽の化身で明るい光の象徴、アジアでは神の使い、南アメリカでは豊かさの兆し、などとして今も人々から敬愛を受けています。世界中の人々が鶏の託した幸福への願いは、愛らしい鶏の玩具にもあますところなく表現されています。
●当館の「鳥のおもちゃコレクション」の中から、世界の鶏の玩具と造形物が一堂に、復活祭に飾られる鶏の卵のオーナメントなどもあわせてご紹介します。新春を寿ぐ楽しい展覧会です。
■展示総数 約350点
①日本の鶏の造形~郷土玩具より
*日本の郷土玩具の中から、各地の鶏の因んだ玩具を展示します。
●笛と鈴———トキをつくる鶏の声を表わした鶏笛や干支の守りとして作られた鶏の土鈴などを各地から集めて。
●夫婦鶏———神社からの授与品として作られ、子どもの夜泣き止めや厄除けなどに力があるとされる鶏の郷土玩具を集めて。
●鶏と童子———勇猛果敢な闘鶏を抱く元気な童子を表わした人形などを集めて。
●鶏ぐるま———鶏が乗った台に四つ車をつけて転がす玩具の色々を。
②世界の鶏の造形
*世界40カ国から鶏を題材にした玩具や造形物を展示します。各国の民族的色彩にあふれた鶏の造形、鶏の笛や楽しい動きが工夫された鶏の玩具まで、人々の鶏に託する願いなどを紹介しながら、地域ごとに展示します。
世界の鶏の造形—————同じ鶏を題材にしても、造形や色彩の感覚には地域ごとの特徴がよく表われます。アジア、アフリカ、ヨーロッパ、アメリカ、と地域ごとに面白い鶏の造形を紹介します。
●ついばむ鶏———オモリを回すように動かすと、餌をコツコツとついばむ動きをする愛らしくも楽しい鶏の玩具を各地から集めて。
●動く鶏———はばたく鶏、車の付いた鶏など、動きのある鶏玩具の色々を。
●鳴く鶏・鶏笛———こすってトキの声をつくる鶏、鶏笛など、鳴き声の面白い鶏玩具を世界から集めて。
●近代の鶏玩具———木やブリキ、セルロイド、プラスチックなどで作られた近代工場生産の鶏の玩具を世界から集めて。
③復活祭の鶏と彩色卵
*キリスト教を信仰する国々では、3月下旬から4月下旬にかけて、キリストの復活を祝う復活祭(イースター)が行われます。復活祭には、春の目覚めを象徴する鶏の卵が美しく彩色されて町にあふれます。
*このコーナーでは、イースターに登場する彩色卵のオーナメントを鶏の造形を交えてご紹介します。
<開催中の催事>
●ワークショップ 新春を祝う鳴くニワトリ作り
日時=2004年12月19日(日)・23日(木/祝)・26日(日) ※11:00~
2005年1月4日(火)・9日(日)・16日(日) ※11:00~/14:00~
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前の企画展 → 秋の企画展*2004「世界の笛・形と音色~原始の笛を求めて」
次の企画展 → 春の企画展*2005「土の鈴・形と音色」