日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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今月のおもちゃ Toys of this month

2007年4月

「ままごと道具セット」

  • 昭和初~10年代
  • 日本/木・陶器・ブリキ製

  紙の小箱に様々な道具を詰めて紐で結び、ままごと道具が一式物として販売されるようになるのは明治末期の頃。写真は昭和初期から10年代にかけて、太平洋戦争が始まる前に作られたままごと道具セットです。花柄の赤いちゃぶ台に、提げ重、まな板と包丁、コンロ、しゃもじ、たまじゃくし、おろし金、茶碗、箸、小皿、土鍋などが本物の道具の素材もそのままに小さく作られています。箱の表には、おかっぱ頭の女の子がまな板の上で野菜を刻んでいる愛らしい絵が描かれ、当時の暮らしの様子を彷彿とさせます。こうしたままごと道具セットを買ってもらった女の子は、紐を解いて道具をばらばらにし、包丁で土筆を刻んだり、小さなお鍋にレンゲソウやタンポポの花を入れ、箸で食べるふりをしたりして、ままごと遊びを楽しみました。

 おもしろいことには、ちゃぶ台の大きさに対して、箸や包丁などが大きく作られています。実際に女児たちが手に持って動作を楽しみたい道具は、子どもの手の大きさに合わせたサイズで作られ、水屋や座布団など、背景となる小道具は、小さく作られていることが多いのです。これは、ヨーロッパのままごと道具が、すべての縮尺率を揃えてセットされているのと比べてみると、非常に興味深いことです。

 ままごと道具セットは、戦後になると、箸や土鍋、おろし金などの代わりに、ナイフやスプーン、フォーク、フライパンなどがセットされ、欧米文化を進んで取り込んでいくこの頃の時代の様相を映しています。またガスレンジから電子レンジやオーブン、トースター、食器乾燥機・・・と、昭和時代の電化製品発展の様子もままごと道具セットの中から伺うことが出来ます。