「三春張子・鞨鼓(かっこ)」 | 日本玩具博物館

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2011年10月

「三春張子・鞨鼓(かっこ)」

  • 昭和中期
  • 福島県郡山市/紙(張子製)

 張子人形は全国各地で作られていますが、歴史と格調高い作風からその代表格がこの三春張り子です。

 この張子は三春藩主が江戸から人形師を招き農民に技法を学ばせたのが起こりと伝わり、今から200年ほど前の文化文政頃が最盛期でした。盛衰はありましたが今も4、5軒が人形のほかに、虎、だるま、獅子頭、面など各種の人形や玩具を作っています。

 人形は歌舞伎や浮世絵から題材をとった躍動感あるものが多く、写真の鞨鼓もそのひとつです。手に持つ鞨鼓は演奏の速度を決めたり終わりの合図をする打楽器です。

 作者が住む「でこ屋敷」は郡山市にありますが、原発事故の影響で訪問客も激減、売り上げも大幅に減少したと聞きます。最近になって全国からの注文が増え、やっと明るさが見えてきたそうです。
 この鞨鼓は1号館の企画展「ふるさとの玩具・古今東西」で展示中です。