「レタブロ<祭壇の中のキリスト降誕の物語>」 | 日本玩具博物館

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2011年12月

「レタブロ<祭壇の中のキリスト降誕の物語>」

  • 1990年代
  • ペルー/木・石灰・ジャガイモ

 ペルーのクリスマスには、レタブロと呼ばれる扉つきの箱型祭壇が飾られます。両側に扉を開けると、中には、たくさんの人形がぎっしりと詰まっていて、あっと息を呑みます。写真にご紹介するレタブロは、高さが75㎝ある大型で、馬小屋の飼葉桶の中に誕生したイエス、見守るマリアとヨゼフ、三人の博士、羊飼いを祭壇中央に、周りを嬉しげな音楽隊や料理人、帽子屋、花屋、民芸品屋、壺屋などが取り囲むものです。登場人物はざっと200人! 壮観です。

スペインがインカ帝国へ入植した折、宣教師たちが住民にキリスト教を布教する道具として箱型祭壇を使ったのがクリスマス・レタブロの始まりとされています。時代が下ると、キリスト教に大地母神や山神などへの土着信仰が加わり、アンデス独自のレタブロがアヤクチョの町を中心に作られるようになりました。

 かつて人形類には、ゆでたジャガイモの生地が利用されましたが、最近では粘土を手捻りで細工して彩色されます。祭壇の外側の植物文様は自然の力を象徴し、正面上部の三角形は、家畜の守護神が宿る“聖なる山”を表現するといわれています。

 日本玩具博物館は、2005年に中南米の民芸を専門に扱っておられた業者の方々のご協力によって、この大型レタブロを3基入手しました。3基それぞれに趣が異なるため、年を追い、1基ずつ順番に出してご紹介しています。今冬は、写真の作品を当館に展示している他、小倉城庭園博物館のクリスマス展へも1基、出張展示中です。