「セヌフォ族のカラオ鳥」 | 日本玩具博物館

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今月のおもちゃ

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2006年9月

「セヌフォ族のカラオ鳥」

  • 1970年代
  • コートジボアール/木

 アフリカ西部、ギニア湾に面した小国・コートジボアールに居住するセヌフォの人々は、子どもが生まれると、「カラオ」と呼ばれる木彫の鳥を作らせてお守りとします。

 カラオは、アフリカ各地に生息する「サイチョウ」を表現しています。西アフリカには十数種類のサイチョウが生息しますが、この地域では、創造神が最初につくった鳥と信じられてきました。サイチョウは、15日間で40個の卵を産む多産の鳥、クチバシが大きく、羽根の色は種類によって様々ですが、威風堂々とした風格のある鳥です。 

 セヌフォ族がつくるカラオは、たっぷりとふくらんだ腹部と長いクチバシが特徴的で、大きなものは高さが150cmを越えるものもあります。一般に、豊満な腹部は女性を意味し、クチバシは男根を象徴していると言われています。元来、子どもをたくさん授かり、村が繁栄するようにという願いが込められた造形でもありました。

 写真は、高さ20cmほどですが、前後左右どこから見ても、生命感あふれる面白い小像です。現在6号館で開催中の「世界の鳥の造形」のアフリカのコーナーでご紹介しています。