今月のおもちゃ
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2013年9月
「プラスチック製のままごと道具」
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ままごと道具の材料は昭和の30年ごろまで、陶器や木製、それにブリキ製が主でした。ところが昭和25年ごろから、アメリカの玩具界で流行していた合成樹脂のプラスチック製品がわが国でも作られるようになると、夢の新素材として大歓迎され、それまでのセルロイドや金属製の玩具が次々にプラスチックで作られるようになります。
プラスチック製のままごと道具は現在、大量生産される安物の玩具とされていますが、作られ始めた頃は新素材を使った「燃えない、壊れない、美しい」高級玩具としてもてはやされました。写真のままごと道具は当時のもので、模様も1点1点手描きされ、高級品としての風格があります。今から60年も昔のプラスチック製のままごと道具が今に遺るものは少なく貴重ですが、当館は数点保存し、現在開催中の企画展「日本と世界のままごと道具」で展示しています。