日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2017年10月

「四日市の大入道の玩具」

  • 昭和初期~昭和後期
  • 三重県四日市市/紙・竹

 伊勢湾に面した宿場町である三重県四日市の諏訪神社の秋祭りには、山車に載った大きな大入道が出て賑わいます。その大入道は首が伸び縮みし、伸びると高さは8mにもなります。それだけでなく、舌を出し入れし、目も黒目や白目に変わります。

 江戸時代後期に人を驚かす古狸を鎮めるため、名古屋の人形師が制作したと伝わっていますが、この大入道を玩具化したものが昔から作られてきました。紙と2本の竹ひごで作られ、竹ひごを上下に動かすと首が伸び縮みするだけでなく、舌を出したり入れたりし、目が黒目や白目に変わります。他にも十数年前までは仏具屋が大入道の山車を張子で作っていました。

 当館はその張子製の大入道と、紙と竹ひごで作られた昭和初期製の貴重な大入道の玩具を所蔵し、現在開催中の企画展「日本の祭りのおもちゃ」で展示中です。大入道が出る諏訪神社の秋祭りは10月1日で終わりましたが、ぜひ当館で大入道の出る祭りの雰囲気をお楽しみ下さい。