「瀬戸内地方の古今雛」 | 日本玩具博物館

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2018年2月

「瀬戸内地方の古今雛」

  • 明治末~昭和初期
  • 瀬戸内地方/木・練物・布

 この古今雛は女雛の袖が長く垂れ下がった江戸の古今雛の形を踏襲する雛人形です。男雛・女雛とも、雛台ともで高さが約75cm、巾も約75cmもある超大型の類のない内裏雛で、製作年代は明治末から昭和初期と推定されます。

 高い雛台に垂らされた袖には唐獅子と牡丹の文様が金糸で刺繍され、雛人形の愛好家の間では「見栄っ張り雛」の名で知られています。この大型の内裏雛が見つかるのは瀬戸内沿岸の岡山や広島地方ですが、現在まで生産地は不明で解っていません。

 この度の当館の春の特別展「雛まつり~江戸から昭和、雛の名品展~」には、この大型の古今雛が初登場しました。岡山市内の旧家で飾られていたものですが、ご縁があって当館の収蔵品になり展示しています。