「ウズモリ屋の神戸人形」 | 日本玩具博物館

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2016年6月

「ウズモリ屋の神戸人形」

  • 2010年代後半
  • 兵庫県神戸市/ウズモリ屋吉田太郎製/木

 神戸人形は明治中期に港町神戸に誕生した木製のからくり人形です。台の横に出たつまみを前後に回転させると、台の上のシンプルな人形たちが酒を飲み、西瓜を切って食べるなど、そのユニークな動作は神戸っ子だけでなく、外国人観光客の人気もさらいました。明治から昭和と何人もの製作者が作り伝えてきた神戸人形ですが、平成7年の阪神淡路大震災後は製作者も無くなり姿を消しました。そのため当館では、町内在住の工芸作家に依頼して再現に取り組み、平成15年から酒飲み・西瓜喰い・面冠り・釣鐘お化けの4種類を復元しましたが、平成26年から諸事情により製作はストップしていました。

 そんな折、神戸から神戸人形の魅力にひかれて製作を考えているというウズモリ屋・吉田太郎氏が来館されました。吉田氏は昭和44年、神戸生まれ。大学卒業後、人形劇の美術を専門としてからくり人形の製作に従事されてきた方です。今後、当館と手を結び神戸人形の再興に取り組むことで話が進み、早速に日本玩具博物館版神戸人形を製作していただきました。またウズモリ屋版の神戸人形の製作にも取り組んでおられ、6月18日から6号館で開催される特別展「神戸人形と世界のからくり玩具」では、同氏製作のユニークな神戸人形の数々が初公開されます