「布団太鼓」 | 日本玩具博物館

日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

Language

今月のおもちゃ

Toys of this month
2017年9月

「布団太鼓」

  • 昭和初期・昭和30年代・平成初期
  • 大阪堺市・香川県観音寺/木・布


大阪府の河内・泉州地方や、兵庫県の播磨・淡路地方、それに香川県や愛媛県の瀬戸内海沿岸地方の秋祭り(淡路は春祭り)には大型の布団太鼓が担ぎだされます。大きな大鼓とそれを叩く乗り子を乗せ、屋根には布団3枚~5枚が逆三角形に積み重ねられ、数十人で担いで町内を練り歩き、祭りを盛り上げます。地域によって、布団だんじり、太鼓台、ちょうさなどと呼ばれています。

 歴史は古く、江戸時代末期に大阪で誕生。それが西へ、瀬戸内海を通して遠くは長崎にまで広がりました。今も秋祭りになると各地で担ぎ出され、祭りを盛り上げています。その祭りの当日、かつては神社周辺の露店では子供たちが祭りの真似事をして遊ぶための布団太鼓の玩具が売られました。

 当館はその布団太鼓の玩具を多数所蔵しており、現在、1号館で開催中の企画展「日本の祭りのおもちゃ展」では、大阪、兵庫、徳島、香川、愛媛、長崎で売られた17点もの布団太鼓が展示されています。実際に祭りに担ぎ出される布団太鼓は近年、豪華で華美になっている地域が数多くあり、玩具にもその変遷が反映されています。