「琉球張子・鶏」 | 日本玩具博物館

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2017年1月

「琉球張子・鶏」

  • 昭和初~10年代
  • 沖縄県那覇市/紙

  2017年度の干支の動物(=鶏)の玩具の中から、沖縄の琉球張子をご紹介します。
 沖縄では昭和初期頃まで、旧暦5月4日から5日間「ユッカヌヒー」という玩具市が年に一度開催されていました。当時沖縄に玩具店等は存在せず、子供たちが遊ぶ玩具は身近な素材を使って作られたものでしたが、この時だけは別でした。子供たちは年に一度の賑やかな玩具市に胸を躍らせ、またその親も我が子の健やかな成長を祈って玩具を買い与えました。

 玩具市で売られていた玩具は今では姿を消したものも少なくありませんが、琉球張子も戦争によって廃絶。戦後に故・古倉保文氏の手によって復活を果たしました。古倉氏の没後、数名の作者に引き継がれました。
 写真は戦前のもので、大正末期の玩具収集家、尾崎清次氏から寄贈を受けました。現存している戦前の琉球張子はほとんど残っておらず、今では貴重なものとなっています。全体的に落ち着いた印象を持ちつつも、細部の彩色には黄や紫、紅色などの琉球らしい色使いが魅力的です。
 こちらの張子は、現在開催中の冬の企画展「鶏のおもちゃ」で展示中です。