夏休みおもちゃ作り教室が盛況です | 日本玩具博物館

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館長室から 2018.08.05

夏休みおもちゃ作り教室が盛況です

今年は思いがけない猛暑の日が続きます。外出を控えるようにとの声もあり、入館者が大幅に減少するのではと心配していました。しかし当館は特別展「ちりめん細工の今昔」が好評のためか、昨年と変わらぬ来館者数があり、来館された皆さまから、予想以上の内容で楽しい、勉強になりました。来て良かったです。と嬉しいお言葉を再三賜っています。
それに交通も便利といえない当館に、先日はデンマークから来館くださり、本日も香港から家族連れでご来館になり、喜んで帰られました。見るだけでなく、世界各地の珍しい玩具で遊べるのも当館の魅力であるといえそうです。

さて例年、当館では夏休みおもしろおもちゃ教室を開催しています。今年も7月28日(土)に「はがき大の紙で作るかざぐるま」、29日(日)に「江戸時代から作られているかくれ屏風」、それに本日8月5日(日)は、1号館の企画展「世界の乗り物玩具」に因み、私が「牛乳パックで作る船のおもちゃ」を教えました。定員を超える申し込みがあり、会場の関係でお断りした方もあり、申し訳なく思っています。

おもちゃ作り教室 の様子(8月5日)


この牛乳パックで作る船の玩具は私が考案したものです。今から27年も前の1991年、草土文化から出版された私の著書『伝承手づくりおもちゃ』に掲載された作品です。同書には、現代の子どもたちの身近にある牛乳パック、割り箸、竹串、ストロー、紙コップ、輪ゴムなどを材料にして、遠い昔から子どもたちが遊んできた伝承玩具の作り方が解りやすく図解されています。ストローで作るロケットや笛、手が上下に動くストロー人形、はがき大の紙で作る風車、江戸のおもちゃのご来迎と木挽き人形と鯉の滝登りなど、43点もの玩具の作り方が解説され、保育園や小学校の図工の先生から、手作りおもちゃの本は多数出版されているが、この本はバイブル的な本ですと嬉しいお言葉を再三いただき、本は増刷が続いて15刷になり、私自身も誇りに思っていました。


このような本が出版できたのは私自身が日本や世界の伝承玩具に精通し、鍛冶屋の家庭に生まれ、子どもの頃におもちゃを作って遊んだ経験が生かされたからでした。ところが今春、草土文化と連絡が取れなくなり、倒産が判明。「伝承手づくりおもちゃ」は絶版になりました。本当に残念でなりません。
今年の夏休みおもちゃ教室は、この11日(土)にも同書に掲載された「牛乳パックの風車小屋」が開催されますが満席です。25日11時から開催される江戸時代のおもちゃ「かくれ屏風」は先着順で定員30名です。ご参加をお待ちしています。

(館長・井上重義)

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