「山原船(やんばるぶに)グヮー」 | 日本玩具博物館

日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

Language

今月のおもちゃ

Toys of this month
2010年7月

「山原船(やんばるぶに)グヮー」

  • 1930年代
  • 沖縄県/木・布

 山原(やんばる)船は、江戸時代から昭和戦前まで沖縄で荷物輸送に活躍した二本マストの小型帆船です。山原とは沖縄北部のことをいい、豊かな原生林が生い茂るこの地方の港から那覇に薪などを運び、帰路は焼酎、米、反物などの生活用品が積み込まれました。大正時代になると自動車の出現で陸路が整備され、海上輸送から陸上輸送と輸送の主役が代わるとヤンバル船も昭和30年代にその姿を消しました。中国の影響を受けて、「ジャンク船」と大変似通った形をしています。

 この山原船の玩具は、山原船が活躍していた昭和初期に、神戸在住の医師であり玩具研究家であった故・尾崎清次氏が蒐集されたものです。当時の作品は残るものが少なく貴重な作品です。高さ36㎝。
 現在開催中の「世界乗りもの博覧会1~海の乗り物~」で展示しています。