「花巻土人形・鶏抱き童子」 | 日本玩具博物館

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2005年1月

「花巻土人形・鶏抱き童子」

  • 明治末期
  • 岩手県花巻市/土

 岩手県花巻市は古くから良質の土人形が焼かれてきました。これは、童子が鶏を抱きかかえている姿を表現したもの。止まっている伏せ籠の様子から、闘鶏用の鶏だとわかります。節句などに豊作や吉凶などを占うため、かつては闘鶏が神社などでよく行われていましたが、勇猛果敢な闘鶏を平気で抱く童子の姿は、江戸や明治の人々がイメージする元気な子ども像なのでしょう。
 

 鶏は、トキの声とともに夜のとばりをやぶり、明るい太陽を運んでくる霊力をもつとして古くから敬愛の対象でした。朝日に輝く鶏は、希望に満ちた子どもたちが抱くにふさわしいものかもしれません。