「弾き猿」のワークショップ | 日本玩具博物館

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学芸室から 2016.01.11

「弾き猿」のワークショップ

播磨地方の松飾り

あけましておめでとうございます。皆さまには爽やかな気持ちで新たな一年を始められたことでしょう。2016年の玩具博物館は、当館のミュージアムフレンドで随願寺虚無僧保存会に所属されている尺八奏者、山本宏さんをお迎えし、新春を寿ぐ尺八演奏会から、一年をスタートさせました。
1号館展示室には今年の干支の動物、申(猿)のおもちゃがずらりと並び、天井には郷土の凧、播磨地方の松飾り(金玉飾り)、生け花に鏡餅……と新春の祝祭ムード漂います。そんな館内に尺八の音色がしみていくようでした。ご遠方よりこのライブを目指してご来館下さったご家族もあり、小さなお子さんからご高齢者まで、囲炉裏端に集まり、また展示をご覧になりながら静かに尺八の音色の耳を傾けておられる情景にも新春らしい風情がありました。

1号館囲炉裏端で尺八の演奏を聴く


「弾き猿」を作って災厄を弾きサル!!

本日は、1号館で開催中の「猿のおもちゃ展」の展示物の中から「弾き猿」を取りあげ、ミニワークショップを開催致しました。「弾き猿」は、U字型に曲げた竹の戻りを利用して、赤い猿を弾き上らせる玩具で、日本各地に伝わります。“災厄を弾き去る(=サル)!”“病魔を弾き去る(=サル)!”と言葉を合わせ、縁起物として江戸時代の頃より親しまれてきたものです。

日本各地に伝承される弾き猿、竹のしなりを利用した仕掛け玩具です

本日のご来館者に向けて「この指とまれ!」で参加者を募ったのですが、数回のワークショップに、小さな子どもさんから御歳89才のご婦人まで、次々と楽しくご参加下さいました。竹バネは、日本の郷土玩具におけるからくりの要素を担うもの。申年の年初めによいご紹介ができました。

「猿のおもちゃ」に展示中の「弾き猿」

ご参加の方々には、作られた「弾き猿」を手に「猿のおもちゃ展」の弾き猿のコーナーをご覧になり、地域によるバリエーションの違いを確認されたりして、竹バネを利用した玩具の〝軽み″と洒脱な味わいを感じていただけたように思います。

上の画像は、6号館前のテラスで行ったワークショップの様子です。
好評につき、来週の日曜日もワークショップを開催いたします。参加ご希望の方は当日、受付までご連絡下さいませ。

(学芸員・尾崎織女)

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