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blog展示室に響く若い人たちの音楽
◆今春も企画展に合わせていくつかのワークショップを開催し、多くの方々に展示の世界に一歩踏み込んで楽しんでいただく機会をもちました。2月には 人気のワークショップとして定着した「貝合わせを作って楽しむ」会を、3月には「イースターエッグを飾ろう」と題して、キリスト教世界の春の祝祭について体験的に知る会を開いてご好評をいただきました。
◆それから、今春、初めての試みとして、地元の高等学校の生徒さんたちにお越しいただき、「雛まつり」展開催中の6号館展示室で演奏会を開きました。兵庫県立福崎高等学校コーラス部と兵庫県立香寺高等学校箏曲部の顧問の先生方から相次いでお申し出をいただいたことがきっかけです。
◆お彼岸を迎えて庭の花々が一気に咲き始めた3月21日、1回目の「兵庫県立福崎高等学校コーラス部の皆さんの歌声」を開催しました。
◆2年生と1年生の5名の女生徒さん達によるアカペラ五重唱。13時半からと15時からの2回、30分のプログラムを演奏していただきました。昭和時代中頃まで小学校で使われていた木の椅子を並べた会場には、小さな子ども達からご年輩の方々までが集い、「うれしいひなまつり」や「朧月夜」、「一番はじめは」などの歌声に耳を傾けました。
◆譜面を開いて熱心に声を響かせる生徒さん達の様子は、小磯良平画伯の『斉唱』の女生徒を想わせる清純さがあり、歌声のやさしさと懐かしさに胸を打たれて、涙ぐまれるご来場者もありました。
◆2回目の「兵庫県立香寺高等学校箏曲部の皆さんの演奏」は、野にも山に も桜が満開となった4月5日の日曜日、新3年生と新2年生の4名の女生徒さん達にお越しいただき、春の童謡メドレーや「うれしいひなまつり」、「さくら」をはじめ、20分ほどの筝曲四重奏を、13時半からと15時からの2回、お届けいただきました。
◆その一生懸命に演奏される初々しい姿を間近に、若々しい音色に包まれて、ご来場者も展示室の雛人形たちも微笑み交わしながら、温かい気持ちに満たされました。演奏にいらして下さった皆さん、顧問の先生、またご来場いただいた皆さま、ありがとうございました。
◆どのような分野の博物館においても、来場者の年齢層の中で、最も頻繁に来館いただきたい高校生、大学生の割合はとても低いのです。地元の若い人たちに親しまれる博物館であるためにも、このような交流を広げていけたら…と思います。
(学芸員・尾崎織女)
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