椿、花桃、利久梅・・・花の季節到来! | 日本玩具博物館

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館長室から 2015.04.03

椿、花桃、利久梅・・・花の季節到来!

当館の庭や周辺に植わっている木々の花が、4月を待ちかねたかのようにいっせいに開花し始めました。黄色い山吹の花は満開になり、4号館の東の窓から見える白い利久梅の花は五分咲き、西の窓から見える真っ赤な花桃の花は八分咲きになり、あと数日で満開です。

満開が近い桃

椿の花は館内だけで約70本もあり、4号館から6号館に行く小道の周辺には30本近い椿があって、月光や孔雀椿などが満開です。6号館への小道は椿のトンネルといってもおかしくない雰囲気です。開館後40年の歳月を反映して木々は成長。白壁土蔵造りの建物とマッチして、来館者からは展示品の素晴らしさだけでなく、雰囲気が素晴らしい。「本当に来てよかった」と再三、嬉しいお言葉を頂きます。

そんな季節に、地元の県立香寺高校筝曲部から申し出があり、当館の雛まつり展会場の6号館で5日(日)の13時30分~と15時~の2回、筝曲部の皆さんによる春を寿ぐ琴の演奏会を開催します。満開の桃の花と素晴らしい琴の音は、心に残る1日になることでしょう。ぜひお誘いあってご来館下さい。

このところ痛感するのは、私立の博物館を取り巻く厳しい状況です。実は昨年11月に三重県で開催された第62回全国博物館大会の報告が、日本博物館協会の機関誌『博物館研究』3月号に掲載されました。鳥羽市にある「海の博物館」(私立)の石原義剛館長の分科会での発表が心に残りました。「青森市にあった私立のみちのく北方漁船博物館が昨春に解散、多くの貴重な資料が処分された。基本的な博物館の役目である、資料収集と保存の認識が少ない。日本の文化の基本資料の保存の意識に欠けているのではないか。現在の博物館は国や行政に見捨てられて漂流する博物館である。国や行政自身が自国の文化の存在を忘れているのではないだろうか」。とのお言葉に同感しました。

6号館入口

現在は評価されなくても、後生になって輝く文化財はいくつもあるはずです。私はそれを見つけて収集保存し、後生に遺す仕事が、今に生きる博物館の最も大切な仕事ではないかと考え、開館以来40年間頑張って来ました。これからもそんな私の思いを書いていきたいと思います。どうか皆様、温かな目で見守って下さいますようお願いいたします。

(館長・井上重義)

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