日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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学芸室から 2023.12.16

「地域実習」の学生さんたちを迎えて

今週は、青山学院大学のコミュニティ人間科学部から、地域づくりの手法を学ぶプログラム「地域実習」のために来館された学生さんたち8名と引率の先生とともに、豊かな時間を過ごさせていただきました。当館に4日間滞在して、館長や学芸員に、当館と地域とのつながりや文化伝承の取り組みについてインタビューを行ったり、当館の日常の活動を体験したり…という内容です。彼らは、当館についての情報を集め、時間をかけて事前調査を行った上でこの実習に臨まれているのですが、❝直に人と接し、五感で体験する❞ということがどのような意味をもつものなのか、彼らの思いの変化を伺い、私たちにとっても、博物館の役割を見つめなおす貴重な時間となりました。

6号館2階の講座室を実習室に

では、学生さんたちの実習の様子を画像でご紹介します。
<1日目> 当館の概要や玩具文化をどのようにとらえているのかをお話し、その後、館内をめぐりました。

<2日目> NHK神戸放送局の「世界のクリスマス展」取材の様子を見学していただいた後、休館日を利用して、2号館常設展示室のケースを開けて展示品の塵埃を払い、撮影・採寸をして、展示品目録作りに取り組んでいただきました。これは、当館所蔵品のデジタルコレクション化のための作業です。今回の持ち場は、昭和20年代から30年代の日本の玩具。敗戦後の日本があの手この手で楽しい仕掛け玩具を創作し、盛んに輸出を行っていたころの資料の数々、———昭和近代玩具の仕掛けのうまさとデザインの面白さを感じ取っていただけたことと想います。

<3日目> 午前中は、当館の文化伝承活動のひとつ、「ちりめん細工」の復興活動についてお話を聴いていただき、午後からはプロの写真家・島内治彦さんのスタジオへお邪魔して玩具撮影の見学とサポートを。これも、当館の所蔵品のデジタルコレクション化のために進めている作業です。この日は「だるま」「郷土ゴマ」「郷土手まり」の代表的な品々の撮影を行いました。また、新春、地元の小学校への出前授業のなかで行う「凧作り」の見本製作などのお手伝いをお願いしました。

<4日目> 開館と同時に「世界のクリスマス展」見学に来館された宍粟市の「くりの実保育園」園児の皆さんに、クリスマスの玩具や人形を紹介する体験を。若いお姉さんやお兄さんがそれぞれにクリスマス飾りや人形をもって現れ、8つのクリスマス玩具をクイズ形式で案内してもらったのですが、園児たちも大喜び。他の展示物にも非常に興味をもってクリスマス展を観覧してくれました。子どもたちの笑い声と学生たちのピュアなまなざしがクリスマス展をさらに明るく照らすようで、胸がジンとしました。

若い方々と4日間を過ごし、具体的にインタビューをお受けすることで、私たちが館の未来を考えていく上での視点が豊かになったように感じています。この実習を通して、8人の学生さんたちには、「日本玩具博物館の魅力を発信する」という課題にこたえていただくことになっています。レポートが届きましたら、こちらのページで若い人たちの声をお届けいたしますので、どうぞご期待くださいませ。

(学芸員・尾崎織女)

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