日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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学芸室から 2023.12.24

地域とのつながりをもとめて~姫路市観光部局との連携展示のこと

クリスマス・イブ。今日は14時30分から、「世界のクリスマス展」恒例の展示解説会を開きました。小さな子どもたちに若い親御さん、そしてお祖父さまお祖母さま・・・。様々な年齢層の来場者が興味津々、クリスマスオーナメントを囲むひととき、―――今年は第四アドベントがクリスマス・イブに当たったので、世界各地のキャンドルスタンドにたくさんの明かりを灯して、暖かな火を皆で見つめました。


<姫路市観光案内所 NAVI PORTの日本玩具博物館の小展示コーナーを設置>
さて、当館は、昨年度に引き続き、今年度も文化庁の「Innovate MUSEUM事業」の採択を受け、この事業の眼目である①博物館資料のデジタル・アーカイブ化とその公開・発信、②地域との連携を図り、地域の暮らしを活性化する試みに取り組んでいます。
②の地域との連携を図る取り組みのひとつは、姫路市の観光に携わっておられる部局と協働し、当館が位置する姫路市郊外の香寺町方面にも、多くの方々にお越しいただこうというものです。そこで、観光シーズンとなる秋から冬、JR姫路駅コンコースにある姫路市観光案内所NAVI PORTの一角に日本玩具博物館の紹介コーナーを設置していただき、そこで当館の行事カレンダーに合わせて展示を行いました。

1回目のテーマは「メキシコの民芸玩具」で、展示期間は2023年9月9日~10月22日。開催中の「メキシコと中南米の民芸玩具展」の紹介を兼ねて、素朴で色彩豊かな木製玩具や秋の祭礼に登場する土人形などを展示し、合わせて、代表的な玩具の画像や展示風景などをサイネージのスライドショーでご覧いただきました。

2回目のテーマは「祭礼の玩具」で、展示期間は10月25日~11月19日。日本各地の秋季祭礼に登場する玩具の中から、ユニークな作品を紹介し、合わせて、代表的な祭礼玩具や懐かしい昭和40年代の祭礼の日の露店風景の画像、当館の紹介動画などもサイネージに。

3回目のテーマは「世界のクリスマス」で、展示期間は11月22日~12月25日まで。当館の「世界のクリスマスコレクション」の中から、スウェーデン、フィンランド、ドイツ、ロシア、ウクライナのクリスマスにプレゼント運ぶ人物の人形を展示し、合わせて、各地のクリスマスオーナメントの画像や当館の紹介動画などもサイネージでご紹介しました。

姫路を訪れた海外からのお客さまがNAVI PORTでの展示をご覧になられたあと、播但線で当館へ足をのばしてくださったり、駅を利用される姫路市民の方々が当館の存在を初めて知ったといって、お訪ねくださる例もありました。今年度の小展示は12月で終了いたしますが、実物展示は目を引き付ける力がありますので、播磨地域にある博物館の紹介コーナーとして、当館だけはなく、姫路周辺の施設が持ち回りで小展示を行えるようなことになるとよいのではないかと思ったりいたします。

<アクリエひめじ冬の催事 ❝ホワイトクリスマス❞への出展>
さらにこの度は、姫路市よりお誘いをいただき、同市とアクリエひめじ(姫路市文化コンベンションセンター)が主催する冬の催事《ホワイトクリスマス》(2023年12月22日~25日)に当館のクリスマスコレクションの一部を出展しています。
屋内展示場と屋外展示場をつないだ広大な会場にクラフトや食の屋台が並び、アンティークなドイツ製メリーゴーランドやスケートリンクなども設置されてとても賑やかな大型催事です。日本のクリスマス産業界を率いてこられた会社のひとつ、姫路市野里の中城産業さんのコーナーも設けられています。


当館からは、特設展示ブースに「ドイツ伝統のクリスマス飾り」と題して、約50組のツリーオーナメントやクリスマス人形をご紹介しています。黒でまとめられたコーナーには、時折、光の雪が降りて幻想的な雰囲気。小さな展示ですが、他の食やクラフトなど、出店者の心づくしのコーナーと合わせてお楽しみいただけると思います。《ホワイトクリスマス》は、明日25日20時まで。当館の「世界のクリスマス展」をご覧いただいた後は、ぜひ、アクリエひめじの《ホワイトクリスマス》へお運びください。


来年、当館は開館50周年を迎えます。これまでは、日本各地へ、世界へ・・・と視野を広くもって博物館活動を積み重ねてきましたが、初心に返り、地方公共団体や地域の企業や施設、市民グループなどとのつながりもまた大事にしていきたいと思っています。皆さま、どうぞよろしくお願いいたします。

(学芸員・尾崎織女)

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