日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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学芸室から 2015.01.16

新春の大仕事~目黒雅叙園「百段階段雛まつり」に向けて

小正月も過ぎ、皆さまには2015年の日々を順調に走りだされたことと存じます。本年もどうぞよろしくお願い申しあげます。

  

神戸新聞朝刊「おもちゃの四季」の連載が始まりました

日本玩具博物館では、元旦から、神戸新聞の朝刊3面で「おもちゃの四季」と題する365日連載をもたせてもらっ ています。お正月、節分、桃の節句、端午の節句、梅雨、七夕、夏休み、お盆、秋祭り、クリスマス……、めぐる季節の歩みに合わせるようにして作られた玩具や人形を、日々、一点ずつとりあげて写真とともにご紹介するものです。
地元兵庫の郷土玩具や郷土人形のことから始めて、その歴史に触れ、日本全国へ、さらに世界へと広げていく企画で、今のところ、主に井上館長が日本の郷土の玩具を、私が世界の民芸玩具を担当しています。神戸新聞を手にとられたら、小さな囲み記事ですが、「おもちゃの四季」をご覧いただければ幸いです。

ところで、私はこれまで存知あげなかったのですが、新聞社は、読者が連載を切り抜いてスクラップするための専用冊子を制作されているのですね! 試みに、掲載いただいた記事を順番にスクラップしてみたところ、例えば、日本のぶちゴマと中国の陀螺(=独楽)、伊勢の鳴りゴマとインドネシアの竹鳴りゴマ――それらの形の共通性は、スクラップ帳を開くと一目瞭然で、とても楽しいものだと知りました。スク ラップ帳は日本玩具博物館のミュージアムショップでもお預かりしておりますので、ご希望の方はどうぞ(定価=216円)。

  

目黒雅叙園「百段階段雛まつり」へ

学芸室では、来る1月23日から3月8日までの会期で、東京目黒雅叙園の「百段階段」(東京都指定有形文化財)で開催される「百段雛まつり」に展示協力する準備を進めてきました。「百段雛まつり」は日本各地の雛人形を旅するシリーズで、第6弾目の今年は“瀬戸内ひな紀行”と題して、兵庫、岡山、広島の博物館や名家が保存する時代雛が一堂に 会します。絢爛な花鳥画や歴史画などで彩られた特徴ある7つの部屋に緋毛せんが敷かれ、雛人形たちが居並ぶ風情は圧巻で、40日間の会期に6万人平均の入場者があると伺っています。毎年、蝋梅が咲き香る香寺町の展示室で、おっとりと過ごしてきたお雛さまは、「百段雛まつり」で、どのような出合いを果たすでしょうか。チラシがその雰囲気を伝えていますが、表を飾っているのは日本玩具博物館所蔵の江戸型古今雛。彼らは200年近くの時を超えて、生まれ故郷のお江戸へと里帰りすることになります。

  

その他、日本玩具博物館からは、“静水の間”に江戸後期の享保雛や古今雛を、“十畝の間”に明治・大正・昭和の御殿飾り雛を、“頂上の間”に段飾り雛とちりめん細工(古作品+新作品)を、そして正面玄関には、ちりめん細工のつるし飾り――姫路、静岡、横浜、東京、新潟、山形、秋田の日本玩具博物館ちりめん細工研究会のメンバーによる力作――を展示させていただきます。私どもの作業場では一週間ほどかけて最終的な展示シミュレーションなどを行い、一昨日、大掛かりな梱包作業を終えたところです。明日、すべての梱包物を搬出し、19日から4日間ほどかけて、井上館長と一緒に現地で展示作業に当たります。

梱包作業を終えて出発するばかりとなった品々・・・。

    

新春から春への晴れ舞台―――雛人形にとっても、当館ちりめん細工研究会のメンバーにとっても、そして私どもにとっても―――を作るべく、心をこめて準備してまいります。1月23日(金)がオープンです。関東方面の方々にはぜひ、脚をお運び下さいませ。

(学芸員・尾崎織女)

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