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blog目黒雅叙園の「百段雛まつり」がオープン
■昨日(23日)から東京の目黒雅叙園の「百段雛まつり 瀬戸内ひな紀行」がオープンしました。これまでにも何度かこの欄でも申し上げてきましたが、1年前に協力要請を受け、昨年2月には当館の雛人形展を視察に来られるなど、この日のために出展の準備が着々と進んでいました。私と尾崎学芸員は去る19日から22日まで展示作業に立ち会いましたが、会場と展示品がマッチして百段階段ならではの素晴らしい展示になりました。
■この百段階段は目黒雅叙園内にある東京都指定有形文化財の建物です。昭和3年に石川県出身の細川力蔵が料亭として造ったもので、当時の有名な大工、左官、建具師、絵師、象嵌師などが腕をふるった絢爛豪華な建造物です。私も6年前に初めて訪れましたが、近代的な建物が立ち並ぶ東京に、このような建物が遺されていることに感動しました。山腹の傾斜地を生かし、7つの部屋が階段廊下で結ばれ、その各部屋で今回は、瀬戸内沿いの西宮(白鹿記念酒造博物館)、姫路(日本玩具博物館)、倉敷(旧野崎家住宅)、鞆の浦(太田家住宅)で保存されている格調高い雛人形の数々が展示されました。
■当館からの展示品は一番下の十畝の間と4番目の静水の間、それに最上階の頂上の間です。天井に花鳥画が描かれている十畝の間には御殿飾り雛が明治・大正・昭和初期と6組が並びました。天井に鳳凰や舞鶴が描かれた清水の間には江戸と明治期に作られた江戸製と京都製の格調高い雛人形が。最上階の頂上の間には昭和初期の東京製の雛2組とちりめん細工が並びました。
■話が前後しますが、入り口にあたる玄関口の展示は原孝洲作の格調高い木目込みの雛人形が飾られ、その周辺には日本玩具博物館ちりめん細工講師の皆様が、約6カ月もかけて作られた素晴らしいつるし飾り8組が飾られました。径40㎝の輪に長さ1mのつるし飾りが8連並んだ作品です。それぞれが個性豊かな作品で、素晴らしい作品だと感動の声が聞かれました。頂上の間のちりめん細工の作品と併せて、一人でも多くの皆様にちりめん細工をご覧いただき、その魅力が伝わることを願っています。
(館長・井上重義)
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