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blogクリスマス・アドベントの玩具博物館
*鮮やかだった紅葉も黄葉も落葉してしまい、冬の小鳥たちが庭を飛びまわる季節を迎えました。
*スタッフが枝のあちらこちらに果物を刺しておいたのをメジロが見つけ、最近は群れでやってくるようになりました。毎日のように、チーチュルチーチュルチーチーチュルチー♪と甘い声で鳴きながら、柿や蜜柑の実を食べる姿が観察できます。かわいいですよ!
*クリスマス・アドベント(=待降節)に入り、クリスマス展会場は何かわくわくする気分が高まってきたようです。毎 年のようにご来館下さるキリスト教系の幼稚園があり、またクリスマス習俗に関心のある学生さんたちの遠方からのご訪問があります。日曜日恒例の展示解説会の時間に合わせてお越しになるご来館者も増えて、様々な年齢層の方々が活き活きとした笑顔で展示品をご覧下さる様子には暖かさと喜びが満ちているように感じられます。
「まち全体がホイクエンツアー」がやってくる
*先日は、「まち全体がホイクエンツアー」という、特定非営利活動法人スローソサエティ協会の社会実験の企画に協力させていただき、小さな子ども達の訪問を受けました。この企画の目的は、私たちのまち全体を保育園に見立て、親だけではなく、このまちの施設、このまちの人々全体で子育てに参加していく仕組みの一つをつくろうというものです。5歳から8歳の園児や児童をもつ方々が駅前に止まっているバスまで見送りに来られ、子どもたちは保育士経験者を含むサポーターたちと一緒にまちへと出発します。お出かけ先は、1回目が姫路市立水族館、2回目が日本玩具博物館、3回目がこの事業に協力をなさっておられる神姫バス株式会社の車庫、4回目が姫路文学館、5回目が姫路自然観察の森です。
http://www2.memenet.or.jp/slowsociety/hoikuentour.html
*小さな子たちにとっては、保護者の元を離れ、通い慣れた幼稚園や学校ではないところへ、いつもの先生ではない大人に付き添われ、この日、初めて出会う友人たちと一緒に出かけていくのですから、緊張もするでしょうし、一方で冒険心をくすぐられることでしょう。
*玩具博物館では、館長に独楽回しを教わった後、プレイコーナーの玩具で大いに遊んでもらいました。クリスマス展会場では世界のサンタクロースの話を聴き、ドイツの燭台“光のピラミッド”に点った蝋燭の火をみんなと一緒に見つめました。そのまなざしのわくわくキラキラしていることといったら! 目の前の風景が小さい身体に沁みていくような雰囲気を感じました。らんぷの家の囲炉裏端でお弁当を食べた後は、庭へ下りて、日本各地に伝わる鳩笛やふくろう笛、カッコウ笛やウグイス笛を吹きならし、鳥たちを呼び寄せます。鳥笛のあまりの賑やかなさえずりに、野鳥は驚いて逃げてしまいましたが、ピーピーピーピー♪と声を立てながら庭へと飛びこんでこられた井上館長にはみんなで大笑い。午後からは、講座室へあがって「鳴くニワトリ」のおもちゃ作りです。糸を濡れた布でこするとコッ、コッ、コッ、コッ、コケコッコー♪と鳴き声を立てるブラジルのカーニバルに登場する玩具をモデルに、紙コップと凧紐で鳴く仕掛けを作りました。すっかり打ち解けて、ニワトリの羽根を描くのに夢中になる子ども達でしたが、帰りのバスの時間が迫っていて……サポーターの方々に促され、飛ぶようにバスへと戻っていかれました。子ども達の心に残る一日になっていると嬉しいなと思います。
*「まち全体がホイクエンツアー」のもうひとつの目的は、自由時間がなかなか持てない子育て中の親世代を応援する仕組みづくりということがあると伺いました。この手法はこれまでありそうでなかったもの、とてもユニークな試みだと思います。ホイクエン・ツアーへの協力者が増えていくというのはまちの生活文化を豊かにするという意味でも喜ばしいこと!と思います。
バルバラの枝
*皆さんは「バルバラの枝」という習俗をご存知でしょうか。12月4日の聖バルバラの祝日、ヨーロッパの各地では森に自生するリンゴやサクランボやプラムなどの樹木から枝をとってくると、花瓶にさして部屋に置きます。12月4日は、少女バルバラが殉教した日に当たります。閉じ込められた小さな部屋でバルバラはコップに桜桃の枝を挿していました。その桜桃が、殉教したその日の朝、花を咲かせたという伝説に由来するものです。クリスマスの朝、バルバラの祝日に切った裸木の枝に花が咲いたなら幸福が訪れる徴だといいます。
*「バルバラの枝」の習俗をためしてみたくて、今年はサクランボとプラムの枝をとり、クリスマス展会場の隅の窓辺に置きました。プラムの芽が少し大きくなってきたように思いますが、クリスマスに花を咲かせてくれるでしょうか? クリスマス当日に展示室をお訪ね下さった方に、どうか、「バルバラの枝」の命の息吹を見ていただけますように…
(学芸員・尾崎織女)
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