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玩具文化探究の楽しみを伝える~様々な大学から訪問を受けて
●樹々の紅葉の色が深くなり、朝夕の冷え込みがぐんと強くなると、毎年、ご家族連れのご来館で展示室は賑やか。世界のクリスマス展会場では、欧米各地のクリスマス絵本を読んでもらいながら、キラキラした目で展示品をみつめる子どもたちの姿が嬉しい季節です。そして12月に入り、学びを求めて来館される学生さんたちを迎え、豊かな時間が流れています。


●今年も筆者は、放送大学兵庫学習センター企画「面接授業」のご依頼をお受け、姫路城をのぞむ<イーグレ姫路>の中にある「放送大学・姫路サテライト」で一日、学習意欲の高い皆さまとともに過ごさせていただきました。大手前公園を見下ろす教室で、❝玩具をめぐる歴史と文化❞をテーマに、終日、ぶっ通しの講義にお付き合いいただいたのは、関東、東海、また四国地方からご参加された10代から80代まで様々な世代の学生さんたち。玩具(おもちゃ)は人と人をつなぐものだから当然ではありますが、古代から近世へとお話を進めるにつれ、また玩具や遊戯具に触ったり遊んだりするなかで、初めて出会われた方々のなかにあたたかい輪(和)が出来ていきます。



●放送大学面接授業の2日目は玩具博で。テーマは、全館の展示見学を通して玩具のもつ普遍性と民族性、時代性について考察することだったのですが、評価のために提出いただくレポートには、2日間の取り組みによって玩具が語る世界の深さや広さに目を開かれたこと、モノの視方が変化した喜びがそれぞれの言葉で綴られていました。様々な年齢層の皆さんが、想っていた以上のコトを受けとめてくださっていて、非常に嬉しく思いました。

●クリスマスアドベント第二週の日曜日には、指導教官とともに、神戸女子大から博物館学を学ぶ3年生たちをお迎えし、当館の成り立ちや使命、博物館活動の特徴についてお聴きいただいたあと、世界のクリスマス展の展示解説会にも参加し、様々な世代が集う博物館ならではの空間を体験していただきました。


●第三週には授業の一環で、保育や教育、保健や看護の分野を学び始めた神戸常盤大学の1年生たちが指導教官とともにを来館されました。常設コーナーでは、将来、様々な場面で子どもたちと関わる若い人たちに、江戸後期から明治、大正、昭和、平成へ――人間の傍らにあり続けてきた玩具がいかに時代精神をよく表現しているかをご覧いただきました。また、館長のコマ回し実演などをおりまぜながら、シンプルな玩具の楽しみを体験し、来館した子どもたちが玩具で遊ぶ様子にも触れていただけたと思います。世界のクリスマス展では、展示解説を受けていただいたあと、デンマークに伝承される切り紙細工のオーナメント「ユールヤータ」を作ってクリスマスツリーに飾りました。ほんのひとときではありましたが、玩具の世界探究の楽しみについて、それぞれの視点でお受け留めいただけていたなら嬉しく思います。




●お迎えする学校、また学んでおられるテーマによってお伝えすること、ご覧いただくポイントは様異なりますが、若い人たちの心に何か残るものがあればと願います。
なお、ユールヤータづくりは、12月20日に予定しております。ご希望の方は、下記の日時に合わせてご来館ください。
●日時・・・12月20日(土) ①11時30分~②14時~③15時~(各回 1時間程度)
●会場・・・6号館前テラス
●参加費・・200円(入館料は別途必要)
●定員・・・各回先着 8名程度(※自由参加・先着順/来館された方はどなたでもご参加可能です)
(学芸員・尾崎織女)
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