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学芸室から 2014.03.24

LIXILギャラリー・大阪「背守り~子どもの魔よけ」展

今日は展示協力中のLIXILギャラリー・大阪へ『背守り~子どもの魔よけ』展をのぞきに出かけました。

LIXILギャラリー・大阪の「背守り」展風景

魂が不安定な子どもの命を魔物から守るため、魔が刺しやすい背中を守ろうと、親たちは子どもの着物に様々な魔よけをほどこしました。
大人が何度も袖を通して、洗い張りして、また縫って、傷んだところには当て布をして……そうして生地がやわらかくなったものをさらに子ども用に仕立て直した小さな着物。その着物の背中ごとに「背守り」がつけられているのです。残り裂を使って押絵をつくり、糸の切れ端で吉祥文様を刺繍し、小さな紐を縫い付けて―――それは魔よけのカタチだけれど、どれもこれも愛らしいのです。
小さな小さな残り布も、たった3㎝の残り糸も大切にされた時代、何もかもがその人だけのために作られていた時代の小さな着物です。―――グランフロント大阪タワーA12階の、非常に無機的な空間に、[人のぬくもり]という名の有機的なものがあふれんばかりに漂います。

日本玩具博物館の資料たちも、いろんなところへ出張しますが、それぞれの環境をものともせずに、作られた時代の人々の息吹を背負って、しっかり自己主張しているさまは、本当にあっぱれ!!

日本玩具博物館から出品協力した資料の展示コーナー

「背守り」展は月20日まで(水曜休館)です。ぜひ、お立ち寄りくださいますように。

(学芸員・尾崎織女)

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