三重県総合博物館(MieMu)での「おもちゃ大好き!」展、出展準備完了 | 日本玩具博物館

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学芸室から 2018.06.11

三重県総合博物館(MieMu)での「おもちゃ大好き!」展、出展準備完了

今夏は三重県総合博物館(MieMu)で第20回企画展「おもちゃ大好き!」(会期=2018年7月7日~9月2日)が開催されます。日本玩具博物館は、この展示に特別協力して総数900点を超える玩具資料を出品することとなり、GWの頃よりその準備作業を進めてきました。MieMuの企画展示室は、面積912平方メートル。恐竜も展示できる超大型の展示ケースを備えた空間には、展示を中心に、プレイコーナーやワークショップコーナーも設置され、静と動が混じり合う楽しい催事が計画されています。

MieMu 三重県総合博物館

展示構成はプロローグとエピローグをもつ7章だてです。考古資料なども登場する「第1章・おもちゃ昔むかし」、次に、近世のおもちゃの世界を「第2章・三重の郷土玩具」と「第3章・郷土玩具北から南から」でご紹介し、明治時代以降の近代玩具の歴史を「第4章・近代日本とおもちゃ」「第5章・戦争とおもちゃ」「第6章・おもちゃの大変革期」「第7章・テレビとおもちゃ」…と時代を追って展観するものです。

MieMuの企画担当者U氏は、おもちゃの歴史を振り返り、未来に伝えていきたい玩具文化について、来館者の皆さんと一緒に考えていく内容に仕上げたいと話しておられます。私たちは、その趣旨に賛同し、第3章から7章までの展示にご協力することとなりましたので、いつものように、展示スペースと同等の場所を作業場にシミュレーションし、そこに玩具を展示していく形で、出品資料選定と梱包作業を進めていきました。

展示出品作業の様子――細かな作業が続きます

作業は、あちらこちらに収蔵している郷土玩具や近代玩具の梱包箱を井上館長の車で、6号館2階のフリースペースに運び入れるところから。200梱包を超える段ボール箱に収蔵している玩具を、時代を追って開梱し、その中から趣旨にあうものを選定して展示していきます。展示スペースに陳列台なども組み上げて、バランスを見ながら実際に展示してみて、その後に一点一点の情報を確認しながら出品目録として記載していきます。
記載が終わると、一点一点を梱包し、展示グループごとの梱包ケースに収めていきます。そうした作業は、原田学芸員ともども、日々、深夜までに及びましたが、一箇月半をかけてすべての作業を終え、それらは大小72個の梱包箱に収納できました。

一方、MieMuからは、展示内容の打ち合わせはもちろん、ポスターや図録のための資料撮影や仕掛けの楽しい玩具の動画撮影に担当学芸員U氏とT氏が度々来館されました。小さな玩具の造形が我々の生活史や時代精神を体現していることの面白さ、興味深さを話し合い、また展示をつくりあげていくことへの期待と不安を共有して、心を通い合わせる日々を過ごしています。

MieMuの前身である三重県立博物館は、日本の博物館施設といえば、私立博物館が優勢であった昭和20年代、他の県に先 がけてオープンを果たした公立博物館の老舗です。県立博物館の先達となり、モデルともなって歴史を刻んできた館ですが、場所を移転新築して再開館した2014年以降も、館の使命に照らしたユニークな活動を積み上げておられます。そのような花も実もある立派な博物館とご一緒させていただく今回の仕事は、日本玩具博物館にとって大きな糧となるに違いありません。図録やパネル、キャプション等の製作や実際の展示作業にもご協力致しますので、オープンまで気の抜けない日々が続きますが、三重県にお住まいの方々をはじめ、多くの地域、幅広い世代に楽しんいただける内容になるよう、私たちも精一杯努めたいと思っています。MieMuの「おもちゃ大好き!」展―――どうぞご期待下さいませ。

(学芸員・尾崎織女)

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