春爛漫の季節―「端午の節句」展が始まりました | 日本玩具博物館

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館長室から 2014.04.22

春爛漫の季節―「端午の節句」展が始まりました

当館入り口の前にある八重桜(関山)が落花盛んです。入り口周辺はまさに花の絨毯といえる状況になりました。当館周辺の桜は遅咲きが多く、2号館 と6号館前の八重の普賢象は今が満開です。

八重桜満開の日本玩具博物館外観


館内の庭の椿も遅咲きが色とりどりに美しい花を咲かせています。先般、奈良からお越しになった椿の愛好家から、ここは「椿園ですね」と嬉しいお言葉をいただきました。確かに専門家の目から見ても珍しい椿が多いようです。当館の庭に椿が多いのは館長室NO62(2011年4月)でも紹介していますが、その多くは市内の勝原にお住まいだった椿愛好家の小林稔さんが苗木を沢山提供下さったからです。それが20数年の歳月を経て大きく成長したのです。昨日、本数を数えると館内の庭と周辺に100本以上もの椿の木が植わっていました。小林さんは一昨年もお越しになり、珍しい椿の苗木を下さいましたが、奥様からのお便りで昨年他界されたことを知りました。長年にわたり当館を支えて下さった方がまたおひとり亡くなられ、本当に残念です。

6号館西室での「端午の節句~京阪地方の武者飾り」が始まりました。今年は京都や大阪で江戸末期から昭和初期にかけて作られた武者人形や甲冑飾りが中心ですが、来歴の分かったものが沢山展示され、驚かれるのではないでしょうか。例えば、京都の大木平蔵の武者人形・甲冑飾り・座敷飾り、田中弥兵衛の応神天皇と武内宿禰。大阪の心斎橋にあった人形細工所ひな屋友七の幕末頃の甲冑飾り、安政5年創業の谷本要助の甲冑飾り、それに初公開は京都製の毛植え虎です。


東室は引き続き雛人形の展示です。豪華な大木平蔵製の桧皮葺御殿や東京製の大正から昭和初期の段飾りをご覧いただけます。格調ある端午の節句飾りと共に、豪華な雛人形が一堂に並び、明治時代から昭和初期に飾られた、贅を尽くした雛人形や格調高い端午の飾りの見事な作品群に感動されると思います。

「ちりめん細工とつるし飾り」展も好評です。2年前に続き今回も、はるばる高知からバスで約20名がご来館くださいました。さらに先日、長野からバスが到着。お話を聞くと中野市からちりめん細工展を目的に来館された愛好家の皆様(25名)でした。朝の6時に出発、食事も車内で済ませ、7時間かけて当館にお越し下さったのです。遠くから来た甲斐があったと喜んでお帰りになりました。他にも個人で、仙台、福島、東京、横浜、山口、長崎・・・と、全国から来館くださり、ちりめん細工の愛好家にとって当館は、一度は訪ねてみたいメッカ的な存在になりつつあるようです。

入館者はこのところ減少し続けていましたが、3月は昨年を上回りました。地元紙の神戸新聞が当館の開館40周年に因んだ記事を何度も大きくカラーページで取り上げて下さったことも影響していると思います。先月16日(日)は久しぶりに300人近い入館者でにぎわいました。それに来館者層が大きく変化していることを感じます。確かに多い時と比べると入館者数は6万人が2万人と減少しましたが、交通至便とは言えない当館に、外国人が再三来館され、国内も全国各地から来館下さいます。

6号館南の休憩所に置いている感想ノートには来館者の声が記されています。
「何度訪れても楽しく懐かしいところです。来てよかったです。館長さんがこつこつ集められ、私たちに公開して下さって、この館をずっと続けてこられていることに頭が下がります。東大阪より」。「東京清瀬市からやって来ました。御殿雛を見るためだけに夜行バスできました。とても素晴らしかったです」。「京都から来ました。2回目です。今回は喜ぶだろうと思い、母と姉と3人できました。お花も緑もきれいで、とても気持ちがいいです。ゆっくり長居しました」


そんな皆さんの嬉しいお言葉に、元気をもらっています。

(館長・井上重義)

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