英語と中国語の案内パンフレットができました | 日本玩具博物館

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館長室から 2012.04.12

英語と中国語の案内パンフレットができました

白い利休梅や真っ赤な花桃の花が見ごろになりました。5号館前の中庭にはイカリソウやバイモユリが咲き、今年は椿の花の当たり年といえるのでしょうか、当館の庭の椿の多くが見事なほどに花をつけています。6号館の入り口近くの孔雀椿も、垂れた枝先に下向きの優雅な花をいっぱいつけました。一週間ほど前から、うぐいすの鳴き声も聞こえてのどかです。

孔雀椿

さて念願だった外国語の案内パンフレットが完成しました。それも英語版だけではなく、中国語版と2ヶ国語です。当館は交通も決して便利とは言えない地にありますが、日本語の話せない外国人が再三来館され、外国語版の案内パンフレットの作成はかねてからの課題でした。それが文化庁のミュージアム活性化支援事業によって先月末に完成。外国語版の案内パンフレットはJR姫路駅の観光案内所などで配布しています。翻訳は英語版がアメリカ人、中国語は姫路獨協大学教授や中国人留学生の協力を得て翻訳をしました。また来館された外国人のために2号館・3号館・4号館に英語版の案内パネルを取り付けました。

中国語版パンフレット/英語版パンフレット

私は収集当初から、郷土玩具がわが国が世界に誇れる文化財であると考えてきました。
それに雛人形やちりめん細工も、世界に誇ってよいものではないかと思い、隠れた文化財とも言える日本の子どもや女性の文化の素晴らしさを知っていただくためには、一人でも多くの外国人に当館のコレクションを見ていただく必要があると考えてきました。そして2001年には、当館HPにアメリカ人J.・ルヤック女史の翻訳で英語版をアップすることが出来ました。さらに今回、ミュージアム活性化支援事業によりHPにドイツ語、中国語、韓国語をアップすることが出来ました。これにより、さらに多くの外国の人たちに当館の存在を知っていただくことができればと願っています。

英語版パンフレット内側
中国語版パンフレット内側

毎日というほどではありませんが、当館には日本語が話せない外国人が個人でJRを利用してよく来られます。HPの英語版をプリントして持ってこられる方が多いのですが、HP以外にも当館のことが何らかの形で外国人に情報として伝わっているのかもしれません。先週来られたアメリカ人は仕事で数年前に来日、神戸に住み、過去に当館に来て気に入り、来日された知人を案内して来て下さったことが解りました。1週間ほど前にもフランスから博物館に関わる方が来館され、これほどの玩具や人形を収蔵展示している館はフランスにはないと嬉しいお言葉を賜りました。これまでも何人もの外国人から、日本での心に残る博物館のひとつだと嬉しいお言葉をいただいています。

日本語と英語での説明(館内)

当館の周辺は開発もあまり進んでおらず、昭和中期のごく普通の農村風景が広がっています。当館の建物も土蔵造りの日本的な建物です。それも外国人に喜ばれる要因なのでしょうか。

また国内も、遠く全国各地から来館されるようになりました。先般もご夫婦で浜松から当館の雛人形展をご覧になるため来館くださった方と話をする機会があり、「すばらしい展示で、遠方から来た甲斐があった」と嬉しいお言葉をいただきました。9日は4人連れの女性が高松から雛人形展を見るために来たと話されましたので、どうしてこの催しをお知りになったのですかとお尋ねすると、高松の県立博物館で当館の雛展のチラシを手に入れたのでと大切にしまわれていたチラシを見せてくださいました。

当館が開館した37年前、私は信州の碌山美術館のように、展示品を見るために全国から来館されるそんな魅力的な博物館を夢に描きました。確かに入館者は多かった20年ほど前と比べると、半分以下の2万人ほどになりましたが、来館者は全国からと、質は大きく高まり、当館のコレクションを見るために全国から来館されるようになりました。

10日で特別展の「雛まつり」が終わり、昨日の休館日を利用して6号館西室の江戸期の雛人形を「明治から大正時代を中心にした端午の節句飾り」に入れ替えました。展示換えは予想以上に順調に進み、昨夜遅くに展示は完了しました。西室は端午の飾り、東室は雛の飾りと、今から100年も前に作られた豪華な端午と雛祭の飾りは来館者の感動を呼ぶものと思います。本日から6号館は通常通りにご覧いただいています。

(館長・井上重義)

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