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blog企画展「独楽と羽子板」で、日本のお正月再発見を
●本日から1号館で企画展「独楽と羽子板」展が始まりました。
●1号館は来館された方が最初に入っていただく正面入り口の展示館であり、いわば当館の顔ともいえる大切な場所です。そのため、季節毎に展示替えを行い、新鮮な印象を持ち帰っていただく努力を積み重ねています。ただ6号館のように数日間閉鎖しての作業はできず、展示替えは休館日の水曜を利用して行います。展示ケースは奥行き45cmの縦ケースが約15m、幅90 cmの平ケースが4,5mあります。6号館と比べて長さは半分、面積も3分の1以下ですが、火曜日の閉館と同時に展示資料を撤収、翌水曜日1日で新しい展示に切り替えるハードな作業です。今回は小さなものですがミニチュア展の展示資料が1000点もあり、大変な作業になるのではないかと覚悟していました。展示替えスタッフは私も含めた学芸関係者4名と協力者1名の5名。尾崎学芸員の企画構成に基づき、2日間深夜近くまで作業にあたりました。撤収は火曜日の午後11時過ぎに終わり、水曜日の午後11時ごろには心配も杞憂に、「独楽と羽子板」展の展示がほぼ完成。満足できる展示になりました。いつもながらスタッフの熱意には頭が下がります。展示は独楽が約240点、羽子板が130点とミニサイズ70点の200点。合計約500点です。独楽と羽子板の展示は4年ぶりで、初公開の資料が何点もあります。
●独楽は北海道から沖縄まで、地域ごとの展示です。日本列島の各地に、さまざまな形の独楽があることに驚かれると思います。実は世界の国々の玩具を収集しているからいえるのですが、わが国は「独楽の宝庫」ともいえる国なのです。こんなにも美しく楽しい独楽を持つ国は世界でも例がないと思います。
●青森地方には「ずぐりゴマ」と呼ばれる雪の上で回す独楽があり、東京には機知に富んだ仕掛けゴマが、九州にはラッキョウ型をした独特の形の独楽があります。不思議なことにラッキョウ型の独楽は遠くポルトガルやスペインにもあるのです。江戸時代に伝来したのか、しかし九州以外には、なぜ広がらなかったのか、不思議が広がります。
●遠い昔から、日本のお正月の遊びを楽しく美しく彩ってきた独楽と羽子板。その色と形に、美しい日本の昔を再発見していただく場となれば幸いです。
(館長・井上重義)
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