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blog秋の企画展*特別展
🍁ただ今、1号館では、秋祭りの季節にちなむ企画展「おもちゃで綴る日本の祭」を開催しています。展示ケースの前では、日々、祭り好きの方々が、かつて子どもたちのものであった小さな神輿や山車の玩具に熱い視線を送り、また、各地の祭礼について熱心にメモをとる学生さんたちの姿も見受けられます。
🍁一方、6号館では、10月20日から「世界のクリスマス」が始まり、おもちゃ館にはひと足早いアドベントが訪れています。本年のクリスマス展は、二つのテーマを設けました。<クリスマスの造形>では、「クリスマス菓子とオーナメント」「自然素材のオーナメント」「キャンドルスタンドと光の造形」「キリスト降誕人形」「サンタクロースと贈り物配達人」の五つの項目で、クリスマス造形の意味を探ります。<世界クリスマス紀行>では、世界約45ヶ国のクリスマスに登場するオーナメントの数々を八つの地域に分けて展示し、各地のクリスマス飾りの特徴を紹介しています。
🍁展示室では、クッキー(レープクーヘン)やビスケット、無発酵パン、砂糖菓子など、クリスマス菓子のオーナメントを見入る子どもたちも多く、また、毎年いらっしゃる方々には、今年新たに加わったツリー飾りやクリスマス人形などを展示ケースの中に見つけて、「わあ、これ、初めてね!」と目を輝かせておられたりもします。
🍁今回、新たに展示しているものの中から、ツリーのオーナメントを一つご紹介しましょう。
🍁上の写真は、ドイツ・バイエルン地方の町、ディッセン(Diessen)にある錫工房で作られた線細工(フィリグランfiligrane)のオーナメントです。1796年、アダム・シュヴァイツァーによってこの地に設立されたバベット・シュヴァイツァー(Babette Schweizer)社が製作している伝統工芸品。同社は、カトリック信者にとって欠かせないロザリオや護符などを作る工房として発展しましたが、バイエルン皇太子の家庭教師たちとも親交のあったバベットは、王家のクリスマスツリーについてのアイディアを求められることもあったようです。1850年代、当時の吊りランプをヒントに生まれたのがフィリグランの錫製オーナメントだといわれています。確かに吊りランプを連想させる円形や円盤状の造形(クーゲル)や護符に似た造形もありますが、華麗に細工されたトナカイの橇や馬車、天使のオーナメントも見られます。鋳型の一部は当時のものを使用し、今もすべてが手作り。モミの木のツリーに飾り付けると、繊細でありながら重厚で、風格のある輝きを放ちます。
🍁この特別展にあわせて、ミュージアムショップも模様替えいたしました。ドイツやデンマークのアドベントカレンダー、ドイツの木綿レースのツリー飾りやデンマークの切り紙細工のモビールなど、本場のオーナメントをお分けしています。
🍁また、11月下旬に入ると、下記の日程で展示解説会なども開催する予定です。
■展示解説会■ 世界各地のクリスマス飾りの特徴について、代表的な展示品を取り出しながら、尾崎がご案内いたします。
日時=11月23日(祝)・12月9日(日)・16日(日)・23日(日)・24日(祝) ※各回14時~
■絵本朗読会■ クリスマスに登場する人形やオーナメントを主人公にした物語を本会場で朗読します。絵本の世界に親しみながら、クリスマス飾りの文化的背景を広げていただけることでしょう。朗読は昨年に引き続き、当館スタッフの倉主真奈が行います。
日時=12月22日(日)・23日(祝)・24日(日) ※各回 11時~/13時半~
🍁ご予定の上、今冬も、ぜひご来館下さい。
(学芸員・尾崎織女)
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