日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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学芸室から 2017.09.26

<KIITO便りNo.6> 9月の「TOY & DOLL COLLECTION」 

ゆったりと秋が包みはじめた神戸です。受付のちりめん細工も9月9日の重陽の節句に合わせ,みなさまの長寿と健康への祈りもこめた菊の二連飾りに替 わっております。神戸港では,港都KOBE芸術祭が始まり,芸術の秋,文化の秋を楽しむ方々が「TOY & DOLL COLLECTION」へもお越しくださっているように感じられます。

ちりめん細工・菊花の二連つるし飾り


神戸市立青陽養護学校高等部の皆さんが校外学習にご来館

9月12日と19日には,神戸市立青陽東養護学校の高等部のみなさんがお越しくださいました。展示室では,代表的な郷土玩具と近代玩具を取り出しながら,その由来,素材と動力の変化を見てもらい,神戸人形の面白さにふれてもらいました。

展示品を取り出しておもちゃをご紹介・・・熱心にお話を聴き、おもちゃの動きを楽しむ高等部の皆さん


おもちゃ教室では,鳴くニワトリづくり。タコ糸を楊枝に結んで紙コップの底に通すとしかけは完成。濡れティッシュで糸をこすると,「コッコッコッ!」とニワトリの鳴き声のような音が響きます。こすって音を鳴らす玩具は海外では多いものの,実は日本ではあまりなじみがありません。この日本玩具博物館の鳴くニワトリもブラジルの玩具をまねて考案したもので,考案から20年近くたった今でも館のおもちゃづくりでは人気者。単純なしくみながら本物そっくりのニワトリの鳴き声には,生徒さんたちだけでなく先生も夢中になって,よりリアルに,よりリズミカルにニワトリの鳴き声が響いておりました。しかけができると,ニワトリの型紙に自由に装飾し,紙コップにはりつけてできあがりです。生徒さんたちはとても自由にニワトリを装飾してくれました!オレンジとイエローの元気が出るチェック柄の羽根,折り紙を切ってコラージュのような羽根を持つニワトリ,型紙の枠を飛び越えて直接紙コップへ描いていたり,ハートやお花が散りばめられたり,野球のボールが描かれたものもありました。生徒さんたち1人1人が納得のいくまで作り続けていました。お昼休憩や展示室の自由見学もはさみながら,たっぷりとおもちゃの世界を楽しんでくださり,こちらも嬉しい2日間でした。


夏の企画展は10月15日まで!
夏の企画展「神戸人形~ミナトマチ神戸のからくり人形」も残すところあと少しです。最近は神戸人形の思い出をお持ちの方がよく訪ねてきてくださいます。みなさんの多くが親しみをもつ神戸人形は,神戸ポートアイランド博覧会をきっかけに巻き起こった80年代の神戸人形ブームを支えた数岡雅敦(喜八)製,神戸センター製,キヨシマ屋製のもの。明治から作られてきた歴史を知るとみなさん驚かれます。木肌の美しさや彫刻の細やかさで魅せながら,繊細なからくりとユニークな動きで海を越えて各国で愛された明治から昭和初期にかけての神戸人形もぜひお楽しみください!


港都KOBE芸術祭の期間中(9月16日~10月15日),開港150年記念イベントに関連して「TOY & DOLL COLLECTION」も無料でご覧いただけます。お近くにお越しの際には,お立ちよりくださいませ。

(TOY&DOLL COLLECTION会場担当学芸員・原田悠里)

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