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blog月遅れの雛まつりに琴の調べを
🌸4月2日午後、当館6号館2階、フリースペースにおいて日本の筝(琴)の演奏会を開きました。外はあいにく春の嵐。杏や椿の花々も雨風に打たれる中、「♪さくら、さくら、弥生の空は……」と江戸時代にはすでに人気のあった春の名曲から演奏が始まりました。
🌸神戸からお迎えした「ぐるーぷ和韻(わいん)」は、十七絃(一面)と十三絃(二面)の編成で奥行のある響きを作り出すアンサンブル。本日のプログラムは、「まりと殿様」(西条八十詞・中山晋平曲)や「うれしいひなまつり」(サトウハチロー詞・河村光陽曲)など、玩具博物館の春の展示にあわせた曲、日本の民謡や童謡などがテーマになった曲のほか、子どもたちにもよく歌われている楽曲を加えて、幅広い年齢層が親しめる内容でした。
🌸前半、後半をあわせると、延べ90名近くの来場者が参加され、小さな子どもたちは、初めて見る生の楽器に圧倒され、またご年配の皆さんは子ども時代を思い出す懐かしい調べに穏やかな笑顔で耳を傾けておられました。
🌸たうようにゆったりと、時に激しく情熱的に響き渡る琴の音色の中では、展示中の雛人形たちもくつろいだ表情に見えてくるから不思議です。耳に新しく、心に懐かしい琴の調べをたくさんの来場者と一緒に愉しむうち、1時間30分はあっという間。ソーラン節がルンバのリズムを刻む最終曲とともに、春の嵐も通り過ぎていきました。
🌸季節の展示に合わせたこのような催しも、玩具博物館ならではの内容を吟味しつつ、今年度も多様に展開していきたいと思っています。
(学芸員・尾崎織女)
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