「世界のクリスマス」 | 日本玩具博物館

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展示・イベント案内

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特別展

冬の特別展 「世界のクリスマス」

会期
2019年10月26日(土) 2020年1月19日(日)
会場
6号館
世界のクリスマス2019 展示室の風景

古代ヨーロッパでは、太陽が力を失い、地上の生命力が衰えた冬枯れの季節に、暖かく明るい光の復活を願い、新しい年の豊作を祈る祭礼を行っていました。これは冬至祭や収穫祭として今も各地に伝えられていますが、キリスト降誕の祝日は、太陽の再生を祝い、豊穣を願う土着の信仰をとり込むことを通して、大きな行事へと発展していったものと考えられます。

クリスマス飾りに登場するキャンドルの灯や光を象徴する造形の美しさ、また麦わらや木の実などの豊かな実りを表現するオーナメント(=装飾)の多様性からも、クリスマスがもつ意味をうかがい知ることが出来ます。また、この時期、世界の各地のサンタクロースをはじめ、プレゼントを持った様々な姿の贈り物配達人が訪れ、新しい年の豊作と幸せをもたらしていくのですが、それらは好んで人形化され、クリスマスという冬の祭礼の喜びと意味深さを伝えています。

麦わら細工の太陽(オーストリア)

恒例となった当館のクリスマス展は、クリスマス飾りを通して世界各地のクリスマス風景を描き、この行事の意味を探る試みです。34回目となる本年は、クリスマスシーズンのカレンダーに注目してクリスマスの準備から公現節までの各地の風習とともに、ヨーロッパのクリスマスの風景をご紹介したいと思います。

展示総数55ケ国1,000点

冬至へと続く“冬”の起点となる祭礼「死者の日」――11月1日、2日に開催される――メキシコのオーナメントを特別陳列


特集<クリスマスカレンダー>

🕯 待降節

アドベント(待降節)とは、イエス・キリストの降誕を待ち望む期間で、クリスマスの四つ前の日曜日からはじまります。日曜日ごとにともされる4本のろうそくを囲むアドベント・キャンドルや子どもたちが楽しみにめくるアドベント・カレンダーなどアドベントに欠かせないクリスマス飾りをご紹介します。

アドベントクランツ型キャンドルスタンド(スウェーデン)

🕯🕯 聖ニコラウスの日

ヨーロッパ各地では、聖ニコラウスが没したとされる12月6日にニコラウスから子どもたちに贈り物をする習慣が今も続いています。司教の厳格なイメージも持ち合わせる聖ニコラウスは、訪れた家の子どもたちの一年の行いを見定め、悪い子にはお仕置きも行います。地域によってはお仕置き用のムチをもつニコラウスや異教時代の風習も合わさって悪魔や従者を連れたニコラウスもあり、各地で作られている聖ニコラウスの造形をお楽しみください。

ヨーロッパ各地の聖ニコラウスの人形たち、ニコラウスが連れてくる鬼と天使の人形も。

🕯🕯🕯 太陽の復活を願う

古代ヨーロッパの人々は冬至(12月22日)に向かって力を弱めていく太陽を元気づけようと、薪の火をたき、光の造形を飾りました。のちに太陽の光とこの世の光としてイエスが誕生したことが結びつき、キャンドルや光はクリスマスにもかかせない造形となりました。

世界各地のキャンドルやキャンドルスタンド、また光を表現するオーナメントを集めて。

🕯🕯🕯🕯 クリスマスツリーを飾る

モミの木にオーナメントを飾る習慣は17世紀頃のアルザス地方で始まりました。初期のころは果物やお菓子、木の実や麦わらなど植物に関するものが多く、収穫祭との深い結びつきも感じられます。やがて、木工細工やガラス細工、錫細工など各地の手工芸と結びつき、美術的に優れた品々も誕生しています。ヨーロッパでは一般的にツリーに飾りつけをするのは大人です。12月23日、あるいは24日に飾りつけ25日に子どもたちにお披露目されます。

始まりの頃のクリスマスツリーのオーナメントに思いをはせて。

🕯🕯🕯🕯🕯 キリスト降誕

クリスマスのキリスト降誕物語を、人形によって表現されるのが、キリスト降誕人形です。13世紀のイタリアが発祥とされ、クリスマスのメッセージを人々にわかりやすく解説したと伝えられています。箱庭風のものから、祭壇のようなものまで、カトリック色の強い南欧や中南米をはじめ、世界中に広く見られるクリスマス飾りです。

キリスト降誕人形・トナラのナシミエント(メキシコ)

🕯🕯🕯🕯🕯🕯 贈り物配達人がやってくる!

12月24日のクリスマスイブ、あるいは25日にやってくるサンタクロースを代表とする贈り物配達人の物語は、聖ニコラウスの伝説と古代の冬至祭に新年の豊かさを祈って人々が贈り物を交換していた習慣と溶け合って誕生したといわれます。国によって配達人のイメージもさまざまです。各地の贈り物配達人をお楽しみください。

世界の贈り物配達人たちのイメージもいろいろです。

🕯🕯🕯🕯🕯🕯🕯 新年から公現節へ

クリスマスシーズンは年が明け、1月6日の公現節(エピファニー)まで続きます。この日は、東方の三人の博士が、ベツレヘムの幼子イエスのもとを訪れ、贈り物を捧げた日で、この日にクリスマスを祝い、三人の博士からプレゼントをもらう国や地域もあります。クリスマスシーズンは冬至祭や収穫祭に起源をもつように、一年の重要な節目です。教会でキリストの降誕を祝う一方で、新年の繁栄と平安を祈る行事が各地で行われてきました。

年越祭ビフライムに登場す仮面仮装の風習をうつした人形(ルーマニア)


<ヨーロッパのクリスマス風景>

東室では、北欧、中欧(とくにドイツ)、東欧、南欧にわけて、クリスマスオーナメントを展示します。
太陽復活祭の色合いの濃い北欧、自然素材を多用したオーナメントに収獲感謝の心がこもる東欧、クリスマスツリーを発達させた中欧、カトリック色が強く、キリスト降誕人形が数多くみられる南欧――それぞれの地域の特色をさぐります。

北欧のクリスマス展示コーナー
中欧のクリスマス展示コーナー
ドイツのクリスマス展示コーナー
東欧のクリスマス展示コーナー
南欧のクリスマス展示コーナー


<会期中の催事>
解説会
   日時=11月24(日)・12月1日(日)・12月8日(日)・12月15日(日)・12月24日(火)  
      ※各回 14:30~
ワークショップ ツリー飾り*「卵のサンタクロース」を作ろう!
   日時=①12月1日(日)13:00~
      ②12月7日(土)11:00~/14:00~ 各8名
絵本朗読会
   日時=12月22日(日) ①13:30~ ②15:00~

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