日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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今月のおもちゃ Toys of this month

2018年1月

干支の郷土玩具「狆の土人形」

  • 明治初期
左:伏見土人形の狆(高さ20cm) 中央:松江泥人形の狆(高さ24cm) 右:三次土人形の狆(高さ18cm)

 狆は江戸時代から明治時代にかけて人々に愛された小型犬です。室内で飼われ、黒い耳と巻いた尻尾が特徴で、吉祥をあらわす五色のよだれかけが着けられていました。しかし明治時代になり、各種の洋犬が入るとその人気に押されて次第に姿を消し、大正時代に激減したと伝わります。 

 現在、1号館で開催中の「犬のおもちゃ」展では江戸時代から明治時代にかけて日本各地で作られるようになった郷土玩具の犬約200点が展示されています。驚いたのは、青森から沖縄まで土人形の産地で作られてきた犬が狆なのです。展示品の製作年代は多くが昭和初期以降ですが、その産地の多くが明治時代の発祥であり、当時の型が継承されていることから今も狆が作られていると考えられます。

 展示品には上記写真のような、明治初期以前に作られた貴重な狆が数点展示されています。これらは昭和40年過ぎに現地を訪ね、民家などに眠っていたものを譲り受けたもので、明治初期と判断出来るのはその彩色です。赤い色が現在のように鮮やかな赤色でなく、朱色のような色が使われていることです。京都の伏見人形と広島の三次人形は現在も製作されていますが、中央の島根の松江泥人形は焼かないで土に和紙などを練り合わせたものを型抜きして彩色したもので、幕末頃から作られ、大正5年頃に廃絶した貴重品です。