今月のおもちゃ
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2015年11月
「プラムとクルミの人形・ツヴェッチゲンメンレ」
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ツヴェッチゲメンレは、ドイツ伝統のクリスマス・マーケットで売られる木の実人形。頭にはクルミ、胴体と手足には干したプラムが使われます。煙突掃除人、民族衣装の少年少女、牧師、先生、農村の夫婦、医者……。様々な人々がツヴェッチゲメンラインのモデルです。クリスマスにこれらを飾ると、夫婦円満になるとも伝えられています。
クルミやプラムなど、栄養価の高い木の実は、古来、生命力が減退する冬季には欠かせない食べもの。また、豊かな収穫を象徴するものと考えられてきたことから、ツヴェッチゲンメンレがクリスマス飾りとして愛されているのでしょう。
写真は、12月5日の夜に子ども達に贈り物を届けにやってくる聖ニコラウスを表わしたツヴェッチゲメンラインです。ドイツの南部において、聖ニコラウスは、よい子にプレゼントを渡す天使と、悪い子にお仕置きをする鬼を連れて家々を訪問します。そんな古い風習を伝える愛らしい人形たち――2004年、ニュールンベルグのクリスマス・マーケットを訪問された日本玩具博物館の友人から贈られたものです。
これらは、他の地域のツヴェッチゲメンラインと合わせて、現在、6号館で開催中の「世界のクリスマス展」で展示しています。