日本玩具博物館 - Japan Toy Musuem -

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今月のおもちゃ

Toys of this month
2009年7月

「けん玉と日月ボール」

  • 明治期のものを復元/昭和初期
  • 日本/木製

 日月ボールとは、今も子どもたちに人気のあるけん玉のかつての呼び名です。大正初期から昭和初期にかけて、この様に呼ばれました。

 けん玉は江戸時代には、大人が酒席の遊戯具にした鹿角製のものがあったと文献に記されていますが、子どもの遊び道具になったのは明治時代です。当時のけん玉は、棒の先端を剣のように尖らせ、他の端には玉を受ける皿型の凹みがあり、それと球を組み合わせたものでした。

 現在のように柄の左右に受皿があり、お皿が3つもある剣玉は、広島県の江草濱次が考案し、大正8年に実用新案として登録されたといいます。球を太陽(日)に見立て、三日月のような形に削った皿で受けることから「日月ボール」と呼ばれました。

 けん玉は広くヨーロッパなどにもありますが、受け皿はひとつです。受け皿3つは日本独特の剣玉です。写真右は日月ボールで全長14cm。昭和初期に大阪で作られ、「日月ボール」のシールが貼られた貴重な資料です。
 現在開催中の「なつかしのおもちゃ博覧会」で明治の剣玉(左側)と共に展示しています。