今月のおもちゃ
Toys of this month
2009年6月
「麦わらの蛍篭」
当館の東側に広がる水田の田植えが終わりました。水田と当館の敷地の間には農業用水路が流れていて、田植えが終わると用水路に蛍の姿を見かけます。昨夜、淡い光を出して柿の木に止まっているのを見つけました。
この地方の子供たちは昭和20~30年頃まででしょうか、麦わらを編んで蛍篭を作り、捕まえた蛍を入れて遊びました。この三角形をした麦わらの蛍篭は一番上の穴から捕まえた蛍を入れますが、実は底の部分は麦藁が十文字に渡されているだけで底がありません。底がなければ蛍は逃げるはず。なぜ底がないのか不思議です。
実は蛍を篭に入れる前に篭の中には草が詰め込まれていて、蛍はその草の中で光を放つて子供たちを喜ばせ、やがて底から自然の中に帰っていくのです。捕まえたら逃がさないのではなく、楽しませてくれた後は自然に戻す。 昔の人の自然との共存の知恵が込められています。
同様の蛍篭は、播州地方だけでなく広く全国で作られたようです。