今月のおもちゃ
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2009年5月
「貝殻の下駄」
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貝の突起の部分に穴をあけ、足の長さほどの紐を通して結び、子供たちが履いて遊んだ手作りおもちゃです。空き缶に紐を通して作られた缶下駄と同様のものです。
明石の貝の下駄は、井上館長が1970年代に兵庫県明石市二見で収集したもので大アサリとも呼ばれるウチムラサキ貝で作られています。北海道のものは1990年代に北海道の玩具収集家から寄贈された資料でホッキ貝とホタテ貝製です。いつ頃からこの貝の下駄が作られるようになったのかその歴史は分かりませんが、ウチムラサキ貝は10cm前後になる2枚貝であり、日本全土に生息していますので、遠い昔から日本各地の海辺に近い地域で作られ、子供たちに遊ばれてきたのではないかと考えられるのです。
貝の下駄は舗装された道路ではすぐに壊れ、未舗装のところでないと遊べません。丈夫な空き缶が出回ると急速に姿を消し、過去のものになりました。この資料は、2号館の草花遊びのコーナーに常設展示しています。